2021年秋、廣瀬雄一さんの江戸小紋フェア。

ブログご無沙汰しております。

最近は、よろずSNSでの情報発信が中心になっていましたが

ちゃんと言葉でお話したい内容の時は、やはり文章を書く気になるようで

今年も、こちらのお知らせ。

KOMON HIROSE 江戸小紋お誂えフェア

10/9㈯~17㈰ ※期間中、火・水曜日は定休日通りお休みです。

そして今年も

廣瀬染工場四代目・廣瀬雄一さんご本人も、期間中2日間在店されます。

この写真は前回のもの。

【廣瀬雄一さん在店日】

●10/16㈯ 15:00~19:00 

●10/17㈰ 13:00~16:00 の予定です。

※尚、廣瀬さん在店日のご来店や別注のご相談についてのお願いは、このブログの最後をご一読くださいね。

 

ゲストを迎えることはほとんどない我が小さな店ですが、これだけは毎年のスペシャル。

昨年に続き、今年も来てもらえるかしら・・・と、世の中の状況にやきもきしておりましたが、おりしも緊急事態宣言が明けて、予定通り来ていただきます!

さて

廣瀬雄一さんの江戸小紋。

当店では、2014年から毎年ご紹介してきました。

2015年の写真(2014年のがみつからない)。

当時、我が店は移転前の地下街。私も廣瀬さんも30代半ば。

私は若かったけど。廣瀬さんは年を取らない。

見た目は若々しく変わらない廣瀬さんですが

思えば長くなってきたお付き合いの中で

着々とその作品は進化を遂げ、

毎年新鮮な驚きを与えてくれます。

 

いつもお話しますが

江戸小紋、というと一般的なイメージとしては

三役とか、決まった柄とお茶席・準礼装向きの落ち着いたベーシックな着物。

ですが

廣瀬さんの江戸小紋は、そこから大きな広がりを持った魅力的な着物です。

江戸から受け継ぐ染工場の4代目である廣瀬さんの工房には、

戦前の型紙が大切に残っていて、中にはこんなのも。

これも昔の型紙、ということに驚かされますが

戦前の、着物中心の生活をしていた時代は

もしかしたら今よりも着物の柄、ということに柔軟でおしゃれだったのかもしれないし

その先人の残した型紙で染めるにあたって

現代の廣瀬雄一さんのスピリットが加わって

いまの我々がときめく、素敵な新しいものが生まれる、と思っています。

廣瀬さんの創作としては、こういった、鮫と別の柄を重ねたものも、彼らしいオリジナリティ。

【江戸小紋】の伝統的な技術を確かに受け継ぎ磨きながら

そもそもは、粋でおしゃれで新たな挑戦が好きだったに違いない、【江戸人】のスピリット。

と、私は勝手に思っている。

これは100年前の型紙ですって。

廣瀬さんの手によって、現代によみがえった衝撃的なミルキーウェイ。

 

そんな廣瀬さんは今年の春、東日本伝統工芸展で奨励賞を受賞。

ともすれば停滞しがちな世の中で、ますます技術の研鑽に集中し精力的です。

少し前に工房にお伺いした時の、今年の廣瀬さん。

工房に伝わる古い柄も、新しい創作のものも、どちらも廣瀬さんらしくあたらしい。

 

昨年も書きましたが、

コロナ禍で外部との接触が減ったこの2年は

凡人は刺激が少なくて枯渇・停滞しかねませんが

本当の、モノを作る人は、むしろ

自身の内面や足元にあるものと向き合って、深化しているのかもしれない。

廣瀬さんは、工房に伝わる型紙からまた新たな柄を見つけ出したりして、ますます精力的。

これも、古い型なんですって!すごく現代的。

こういうの、いつも私は勝手に思うのですが

この柄を残した先人と、現代の廣瀬さんとのコラボ。

昔の型を掘った人が

いまの廣瀬さんに染めて欲しくて

目を覚まして出て来たんじゃないかと思っている。

 

そんなことを考えるのは、私がいま歴史調査をしていて古い写真や史料などが発見されるたび、「過去の人が見つけて欲しくて出て来たに違いない」と思うせいかも。

※私が歴史調査しているボスの家の蔵。笑

そんな私の独りよがりはおいといて(すぐ歴史方向に脱線する)

 

廣瀬さんの江戸小紋、今週土曜日からのご紹介です。

普段、お手頃価格の着物を扱っている当店としては

普段の品揃えより、ちょっとランク上のお品物です。

でも、うちのような敷居の低いカジュアルな店が本物をご紹介することに

意味があると思っています。

 

廣瀬さんの江戸小紋は、染織工芸品の技術的な価値だけでなく

ファッションとして、素敵!着てみたい!と、ときめくモノ。

 

私自身、着物の仕事をしてきて

いまのライフスタイルの中でリアルなキモノ、という

「着ること」目線から取り組んできた中で

年令とともにだんだん、良いもの、本物を、という気持ちになってきたので

廣瀬さんの染める、伝統工芸の価値とファッションとしての魅力

両方を備えた着物は、とても魅力的です。

 

ちょっと特別なときにも、自信を持って着られる、本物を一枚。

ワタクシの一張羅。

 

そうそう、人気のストールも入荷予定です!

こちらは、着物だけじゃなく、お洋服にも。日常に、江戸小紋。

極上の肌触り、シルクカシミヤ。

 

ではでは、ぜひ見にいらしてくださいませ。

 

【廣瀬さん在店時のご来店についてお願い】

皆様に貴重な機会に触れていただきたいと思っておりますので、完全ご予約制にはいたしません

今回はご覧になるだけ、という方でもお気軽にご来店いただきたいと思っております。

ご存知のように、小さな店です。

お客様が重なった場合には、密を避けるため譲り合っていただけますようお願い申しあげます。

・ご来店予定がお決まりのお客様は、事前にお知らせください。重なりが予測される場合は調整させていただきます。

・廣瀬さんへの別注のご相談をお考えのお客様がいらっしゃる場合、廣瀬さんとのお話はその方を優先させていただきます。

※尚、廣瀬さん在店時に限らず、

ご来店の際にはマスク着用、入口でのアルコール消毒、少人数でのご来店にご協力ください。

*****************
キモノハナ おあつらえ
札幌市中央区南1西5-6-3 CUTEビル2F
【定休日】毎週火・水曜日
【営業時間】11:00~19:30(月曜日15:00~)
℡(011)522-8736

シェアはこちらから