江戸小紋とパリ小紋。

10月になったのに暑いですね。札幌なのに。

いよいよ今週末からです。

 

KOMON HIROSE 廣瀬染工場 江戸小紋フェア

10/5㈯~13㈰

四代目廣瀬雄一さんの在店日は、

10/12㈯・13㈰。

 

いよいよなんですが

一般的な「江戸小紋」としては語りつくせない、廣瀬さんの江戸小紋。

毎年ご紹介していながら

毎年進化しているので

今年はどんなのが来るかお楽しみ。

 

さて、先日から画像だけはご紹介し続けているこちら

パリ小紋の染め帯

8月に工房にお伺いした時にオーダーして染めていただいた、最新作です。

今日はいよいよ(ようやく)

パリ小紋、なんぞや

というお話を。

 

廣瀬さんは、たびたびパリに行きます。

昨年、11月に当店に来た頂いたときも、前日パリから帰ってきての、札幌でした。

お疲れのところ申し訳なかったスケジュール。

 

たびたびパリに行く廣瀬さんは、

現地で個展を行ったり、

フランス国立芸術大学、なるところで講義をしたりされています。

(廣瀬さんのInstagramより)

それは、単に日本の伝統工芸を海外に紹介するというだけでなく

もっと深い意味があることだと思うのです。

 

廣瀬染工場は、昨年100周年を迎えたのですが

100年と少し前、フランスからはじまったと言われるのが

ジャポニスム

明治の開国以降、日本の美術工芸品が、

ヨーロッパの美術・工芸・装飾に大きく影響を与えたムーブメント。

ゴッホが浮世絵に魅せられていたのは有名ですが

この動きのはじまりはフランス・パリで

浮世絵だけでなく、小紋を染める型紙も、たくさん西洋に渡り影響を与えたことがわかっています。

↑廣瀬さんのパリ個展(Instagramより)。

 

そこから生まれたのが

アール・ヌーヴォー

そしてアール・デコ。

西洋の人たちが日本にインスパイアされて、やがて生み出した様式が

今度は、今度は大正・昭和初期の日本で、憧れをもって受け入れられたと思うのです。

あきらかに西洋の影響をうけて生まれた、昭和初めころの型紙。

 

大正浪漫・昭和モダン華やかなりし時代は終わりを継げ

戦中・戦後を経て

今にいたるわけですが

 

そんな、西洋と日本のおおきな文化のやり取りを経て

いま

パリで江戸小紋を伝える廣瀬さんは

100年続く廣瀬染工場の四代目という立場にあって

ある意味、先人のしてきたことを引き継いでいる

そんな気がします。

 

そんななかで生まれた、パリ小紋。

フランス国立芸術大学の学生さんたちが、廣瀬さんから江戸小紋を学び

作り出した柄を型紙にして染めた

日仏合作江戸小紋。

この柄のストールがとっても素敵で!

これ、染帯にしたらおしゃれだなーと、染めていただきました。

スタイリッシュです

モードです

ちゃんと江戸小紋です!

どなたかおしゃれに締めてくださる方、募集中。

店頭でご覧になってくださいね。

 

さてさて

以上が、廣瀬さん最新情報。

あとは今週末からの店頭で、たっぷりと。

ちなみにこの写真は去年のものですが

 

人気のストール、今年もたくさん入荷いたします!

これまた、お洋服に着物に、薄くて暖かいシルクカシミヤ

とっても素敵な伝統工芸にして、実用的でお値段も良心的なスグレモノ。

乞うご期待ですよ

 

さて、いい加減長文ですが、このあと余談。

 

おもえば、今年の夏の東京出張

この日の、ワタクシの行動。

 

羽田から、新宿区は廣瀬染工場へ

江戸小紋とパリ小紋についてときめいたあと

どっぷりお江戸な浅草へ

(ちゃんと仕事です!ここでも良い出会いがあったので、機が熟したらお話しますね)

それから

ある所への寄り道をしておりました。

 

そこは白金台

東京都庭園美術館。

8年越しであこがれ続けてようやく訪ねることのできた、旧朝香宮邸。

今は東京都の美術館なので、気になる方は調べてみて!!

とんでもないアールデコの館!

(ここの話だけで3日しゃべれる自信がありますが)

それこそ

渡欧中の1925年パリ万博でアールデコに感銘を受けた、朝香宮夫妻の夢の御屋敷。

フランスのデザイナー、アンリ・ラパンが室内装飾を手がけ、

壁や照明や室内装飾やら調度品はフランス直輸入

日本の宮内省内匠寮が建築設計という

昭和初期に作られた

奇跡の日仏合作の建物なのです。

当時のフランスのアールデコ、その最先端を

日本の設計者や左官職人さんが理解して作ることが出来たのは

奇跡のようだけど

 

ちょうどそのころ

同じ東京、二代前の廣瀬染工場では

こんな柄の着物を作っていたのでもあり

 

もともと日本に影響を受けて生まれたデザイン様式には

なにか日本人に通じるものがあるのかもしれないし

 

そもそももしかしたら、

日本とフランスとの文化的センスには

なにか惹かれ合う物があるのかもしれない。

 

廣瀬さんのパリ小紋と

朝香宮邸のアールデコ建築に

そんなことを考えさせられた、濃い一日でした。

 

日本と、フランス。

ジャポニスムと、アールデコ。

江戸小紋と、パリ小紋。

 

色々と考えさせられる、廣瀬さんの江戸小紋

 

べつに難しいこと考えずに、感じてくださればそれで結構です!

 

どうぞお楽しみに。

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キモノハナ おあつらえ
札幌市中央区南1西5-6-3 CUTEビル2F
【定休日】毎週火・木曜日
【営業時間】11:00~20:00(月曜日13:00~/日曜日~19:00)
℡(011)522-8736

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