着物雑学帖 その8 龍について

こんにちは!コモノハナの高山です。

 

さてさて、やってきました15日!

毎月15日は…


着物雑学帖の日です!

 

今回のお題は画像の通り
龍についてです!!

※イラストは大好きなまんが日本昔話を参考にさせていただきました。
オープニングとエンディングは今でもソラで歌えます(笑)

 

 

龍は私も大好きなモチーフでして…
浴衣も数枚持っているんですよね~

リアルでカッコいいタイプや
ディフォルメされてちょっとラブリーなタイプなど、
種類も豊富なんです。

 

本日はそんな龍の事を語り倒したいと思います!
どうぞお付き合いくださいませ~!

 

 

 

いつごろ日本にやってきた?

龍は中国から、弥生時代頃に鳳凰と共に伝わったと言われています。

 

弥生時代…2000年以上前からですね。
本当に長い歴史があるのですね~。


奈良にあるキトラ古墳の壁画にも、龍が描かれています。
こちらは青龍ですね。
朱雀、白虎、玄武も確認されているので東西南北を守る四神です。

 

中国では龍は皇帝のシンボルとされており、
皇帝やその一族のみが使える特別な柄とされていました。


日本では有職文様に龍紋という柄はありますが、そこまで重要視されていなかったそうです。

 

その代わり、民間の蛇神信仰と融合し、
水を司る神様として祀られるようになっていきました。

 

全国にある龍宮神社も、海の神様を祭神としています。(小樽にもあるんですよ!)
また、鹿児島県にある龍宮神社は浦島太郎伝説発祥の地と言われているとか。

乙姫様のいる竜宮城も海の中。
ちなみに姫のお父さんは龍王と呼ばれているそうです。

 

 

 

 

着物のモチーフとしての龍

さて、水の神様となった龍ですが
着物の柄でももちろん人気!

やっぱり多いのは男性物ですよね。
(龍柄の女性物は少ないので、見つけたら即買いが基本です…)

 

特に人気なのは七五三、お宮参りなどの男児の着物です。

登竜門、という言葉をご存じですか?

黄河の上流に「竜門」という激流があり、
そこを登り切った鯉は龍になるという中国の故事です。

 

そのエピソードや、天高く昇る姿から飛躍や出世のモチーフとされています。

龍柄の着物を身にまとう男の子。
強く、たくましく、カッコよく育ってほしい。
そんな周囲の想いが伝わってくるセレクトです。

 

 

着物の柄としての龍は、波や雲と一緒に描かれる事が多いです。
水神として祀られている龍は、時に嵐を巻き起こしたりするので
空や水のモチーフがよく合うんですね。

 

ちなみに女性用の着物や帯で龍柄が出回るようになったのは
明治、大正頃と言われています。


私も、アンティークの帯を持っています。
ちょっと愛嬌のある顔がお気に入り。

 

 


青楼行事八景 引々四ツ乃夜雨 菊川英山

江戸時代の浮世絵で、龍の柄を纏う花魁の絵などはありますが、
彼女達の着物は舞台衣装みたいな面がありますからね。
奇抜な柄を好んで取り入れていたりしていたみたいです。
一般の女性も着られるようになったという点では、やはり近代からだと思います。

 

 

 

 

龍とドラゴンの違い

龍とドラゴン。
一緒だと思っている方が多いと思いますが…。

 

実は外見も役割も、全然違うんです。

 

東洋の龍と西洋のドラゴン
その違いを説明いたしますね。

まずは東洋の龍。

外見は蛇のような長い胴体。頭には立派な角やヒゲが生えています。
虎、蛇、鷹、鯉、鹿、ラクダなど様々な動物のパーツが取り入れられているそうです。

 

先述の通り、東洋において龍というのは水の神様です。
時に嵐を引き起こしたりもしますが、
基本的には水難から身を守ってくれたりなどありがたい存在なのです。

 

 

お次は西洋のドラゴン。

外見はトカゲをベースにコウモリのような羽根がついています。
口からは火を吹いたり、毒ガスを噴射するそうです。

 

そして、一番大きな違い。
西洋のドラゴンは、悪魔の使いとして忌み嫌われる存在でした。

どうして役割が正反対なのかというと、
多神教が土壌にある東洋と、一神教のキリスト教社会である西洋との
違いだと言われています。

 

そんなヒール役のドラゴン。
キリスト教圏での有名なエピソードに
聖ゲオルギウスのドラゴン退治があります。

 

キリスト教の聖人、ゲオルギウスが人食いドラゴンを退治し、
生贄として囚われていた王女を救出するという伝説です。

現代のゲームやファンタジー作品の元祖ではないかと思う程、王道のストーリーですよね!

 

ちなみにこちら、美術室とかで見た事はありませんか?

石膏像のジョルジョです。

 

ジョルジョは、ゲオルギウスのフランス語読み。
そう、この像は聖ゲオルギウスなんです!
(原型はルネサンスの巨匠、ドナテルロ作 現在はフィレンツェの美術館に所蔵されています)


私は学生時代、ジョルジョさんをよくデッサンしていたんですが
この眉間のシワが描きづらいこと描きづらいこと…描き終える頃には同じ顔になってました(笑)

 

この険しい表情は、ドラゴンを前にして勇気を奮い立たせている様子らしいですよ。

キリスト教圏においてドラゴンは確かに悪役ですが、
聖人にこんな顔をさせるほど強い存在でもあったという事ですね。

 

 

同一視されがちな龍とドラゴンですが、ここまで違うんです。
マンガ、アニメなどフィクションの題材にも大人気なので、
もし何かの機会で見る事があったら
「これは龍かな?ドラゴンかな?」と考えてみるのも楽しいかもしれません!
(最近はどちらの要素も混ざり合っていたりしますが)

 

 

 

 

さて、今日は私の大好きなモチーフ、龍について語らせていただきました!

 

いやー、今回も楽しかった~!!!
次回はちょうど、お盆ですね…
実はもうテーマは決めてあるんです。
普段の私をご存じの方ならバレバレかもしれませんね(笑)

 

それとは別に「これを語って欲しい!」等の
リクエストは随時募集しております。ぜひお気軽に!

 

高山の着物雑学帖は毎月15日を予定しております。
来月また、お会いしましょう!

 

 

バックナンバー

その1 宝尽くしについて 
その2 四君子について 
その3 袴を語る~100年前のJK事情 
その4 〇△ロ~水玉、ウロコ、市松について 
その5 桜を語る 
その6 浮世絵の見方~江戸女子のファッション 
その7 浴衣について 

 

 

 

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