Q 訴訟を弁護士に依頼したのですが、この後私はなにをすればいいですか?
A 基本的には弁護士に全てを任せておくつもりで構いません。
但し、弁護士も訴訟をするための材料がなければ動きを取れませんので、弁護士からの取材には答える必要があります。弁護士から打合せで事実関係を聞かれたり、帳簿類やメールのデータの提出を求められるようなこともあります。ときには弁護士から自分に不利なものや見せたくないものについて質問をされたりすることもありますが、正直に答えたほうがベターです。味方の弁護士に嘘をつくと、後で相手方の弁護士に嘘を見破られたときに取り返しがつかないことになります。
また、当事者自らが裁判所で話をすることもあります。これを当事者尋問といいます。書類やメールに残っておらず、記憶にしかない情報については当事者自らの発言が重要な証拠となります。
訴訟の流れによっては和解協議を進めることもあります。この場合、どのような金額で折り合うかは当事者の納得の問題となることが多いため、当事者自らに裁判所に行って、和解に立ち会うこともあります。
Q 証人尋問に呼び出されたのですが、どうすればいいですか?
A まずは日程調整をして、裁判所に行けるようにしましょう。証人として呼び出された場合には出廷義務があり、出廷しないと法律上の制裁を受ける場合があります。
証人尋問に呼び出される場合、多くは原告又は被告のどちらかからの要請を受けています。そのため、どちらかの代理人弁護士から事前に打診があるのが通常です。この場合にはその代理人弁護士と綿密に打ち合わせが行われ、証人尋問当日に何を質問されるか、相手方からどのような質問を受けるかをレクチャーされることになります。
証人尋問当日は、裁判所に印鑑を持参します。これは、証人尋問の前に出廷カードという紙に自分の住所氏名等の記入を求められ、押印をしなければならないためです。
さらに証人尋問の前には宣誓をさせられます。これは証人尋問において嘘を言わないことを約束させられるものです。宣誓を行なって嘘の発言を行うと偽証罪になります(嘘を言ったからといって全ての場合が処罰されるわけではありませんが。)。
いざ証人尋問になると、前に法服を着た裁判官がいて左右片方に証人の依頼を受けた弁護士、もう一方に相手方の弁護士がおり、かなり日常とはかけ離れた違和感のある空間で話すことになります。人によっては緊張してしまって言葉がでなくなったり、逆に焦ってしまってあることないことを口走ってしまったりします。レクチャーやリハーサルどおりに証言することはかなり難しいことといえます。
証人として発言した証言は、全て書き起こされ、その事件での証拠となります。
Q 判決が出るまでどれくらい時間がかかるものですか?
A 事件の規模、性質、弁護士の進め方によって大きく異なりますが、第1審で判決までいくとなると半年から1年が標準的な期間と思われます。
当事者が多くなると足並みがそろわずに進行が遅れたり、論点が多い事案だと弁護士の準備に時間がかかったり、第三者に対する照会が必要な事案だと第三者からの回答があるまで訴訟が進められなかったりします。それ以外にも単に代理人弁護士の怠慢によって進行が遅くなることもあります。
また、判決ができる材料が揃った段階から和解交渉が始まる場合もあり、このような場合にはさらに時間がかかります。
訴訟は三審制といって同じ事件について3回まで裁判所の判決を求めることができるため、3回目(上告審)までやるとなると5年以上かかることも往々にしてあります。