Q 民事の訴訟ってどうやって勝ち負けが決まるのですか?
A 裁判官が原告と被告の主張における①事実の争い、②法律の争いそれぞれについて証拠をもとに判断し、主張が確からしいと思ったほうが勝つことになります。
裁判官は事実がどうであったかを判断するために、まず、①原告と被告との間に争いがない事実、②書証(証拠となる書類)によって明確になる事実を確定させ、③それらをもとに原告と被告の述べるストーリーのどちらが正しいと思われるかを検討するといわれています。事案によっては証人尋問が重要になる場合もありますが、一般的には書証の有無やその内容が決め手になることが多いと考えられます。
また、裁判官は法律の争いについては何よりも最高裁判所が過去に下した判決を重視します。最高裁判所が判決をしたことがない法律上の争いについては高等裁判所の判決や、学者が述べる学説を参考にして判断します。文献に載っていない法律の争いになった場合には原告被告それぞれの弁護士が学者に依頼して意見書を書いてもらうこともあります。
Q 誰かから訴えられたらどうしたらいいですか?
A 訴えられることを経験した人でなければ早めに弁護士に相談するのが無難です。
訴えられた場合、訴状が裁判所経由で送られてきますが、訴状とともに呼出状という書類と、答弁書の書き方という書類が同封されています。
呼出状には第1回の期日の日程と場所が書かれています。この期日を放置すると自動的に敗訴となってしまいます。(請求の内容によりますが)敗訴すると原告から強制執行を受け、預金や不動産などが差し押さえられてしまう可能性があります。
答弁書において原告の請求を争う旨を書いて裁判所に提出すれば第1回期日には欠席しても良いことになっています。但し、第2回期日以降において原告の主張内容にきちんと対応していかないとやはり敗訴してしまうという可能性が高くなります。
訴訟にはどうしても専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談して訴訟を代わりにやってもらうことが訴訟の勝ち負けの面でも、時間的・精神的な負担の面でもベターといえるでしょう。
Q 訴訟で勝訴したらどうなるのですか?自動的にお金が入ってくるのですか?
A 訴訟で勝訴しても判決(書)がもらえるだけで、被告から自動的にお金や請求した物が入ってくるわけではありません。
訴訟で勝訴し、控訴などがなされずに判決が確定した場合、判決は債務名義と呼ばれるものになります。
債務名義を持っていると被告に対して強制執行をすることができます。いわゆる差押えができることになるのです。
強制執行は被告の預金、給料(労働債権)、不動産、車、有価証券などに対して行うことができますが、被告が財産を隠してしまったり、そもそも被告が財産を持っていなかったりすることがあり、必ずしもうまくいくとは限りません。
訴訟を提起する前に強制執行を行うことができるかを確認しておくことが重要です。