投稿日:2024年02月21日

【札幌 弁護士コラム】弁護士の就職事情に喝を入れる採用活動

こんにちは、荒木でございます。

東京出張から戻ってきました。

来月は、東京、沖縄、ベトナムへの出張があるので、それまでに整理すべき案件はきっちりと整理を進めておきたいところです。

 

当弁護士法人では、昨年の秋以降、新人(司法修習生向け)の採用活動を進めています。

まだ確定はしていないのですが、報酬水準を上げたことからか、それなりの件数の応募を頂いています。

札幌での採用活動はこれからが本番となりますが、期待が持てる状況といえるのではないでしょうか。

 

さて、どこの業界でもそうなのかも知れませんが、弁護士業界も空前の(?)人手不足の状況となっています。

それというのも、私(荒木)の世代(弁護士15年目)あたりの人数が多く、その後は少しずつ司法試験合格者数が絞られていったという経緯があり、私(荒木)世代の弁護士が下を採るようになってきたという背景があります。

そのうえでさらに大事になってきているのが「質」の問題。

司法試験受験生、その手前のロースクール受験生の数自体が減ってきており、競争は緩くなっているために「いい弁護士」を採ることが非常に難しくなっています。

 

…というお話はあくまでも買手(=採用する側)から見た話。

司法試験受験生からすると、試験は簡単に受かるわ、就職先はいくらでもあるわ、という夢のような状況(?)なわけです。

ですので、私(荒木)は、税理士試験を受けようと考えている人には、割と本気でロースクール受験を勧めていたりします(弁護士登録すれば自動的に税理士業務もできるようなります。)。

 

そんな感じですので、採用面接をしていてもなかなかのことが起こります。

結構頻出する質問が以下のようなもの。

 

「残業時間(労働時間)はどれくらいですか?」

「貴事務所の研修制度はどのようなものですか?」

「ワークライフバランスを重視した働き方はできますか?」

 

一般企業でもこんな感じなのでしょうが、私(荒木)が新人だったころとはかなり隔世の感があります。

まぁこういった事実を一部では受け入れて行かなければならないのでしょうね。

 

もちろん、弁護士も人ですので、あまりに働きすぎれば心身の不調が出てきますし、業務外の生活を充実させたいということもわかります。

ただ、「もうちょっと労働による価値提供をするという観点からの質問もあるんじゃないの?」と思ってしまうわけです。

やっぱり少し頭が古いんですかね。

 

弁護士業というのは、ちゃんとやろうと思えば極めて職人芸的な要素が強いもの。

そうであるからこそ、新人のころは何もできないものですし、自らが成長を欲しなければ一人前と言われるようになることは難しいでしょう。

そう考えると、試験が簡単に通るようになり、売手市場の就職環境にあったとしても、ぬるま湯に浸かっているわけにもいかないはずです。

何せ、競争相手は同世代の弁護士ではなく、合格率5%以下の時代、弁護士の就職氷河期を乗り越えてきた先輩に伍して、それを超えて行かなければならないわけですので。

 

そうすると、新人を雇う側も「うちは楽だよ~。」とか「うちは残業ないよ~。」と言っているようだと、人数は増えたとしても、事務所自体の力は上がらず、まさしく「肥大化」するだけの存在になってしまいかねません。

そんな観点から当弁護士法人は、時代に逆行して、

「職人気質」

「徹底主義」

「妥協を許さない」

「成長なくして発展なし」

「苦労は勝手でもしろ」

といった前近代的な(?)スローガンを掲げて採用活動を進めております。

結果はどうなるかわかりませんが、採用できたとすれば、新人にとっては「キツいけど成長できる」、すなわち「苦楽しい」環境を提供できるのはないかと考えています。

 

そして苦しいことを乗り越えれば、5年後、10年後に

「ホンマ、新人の頃に頑張っといて良かったわ~。」

と思える時が来ることは間違いないと思っています。

これ、私(荒木)自身が身をもって体験してきたことなので、掛値なしで保証します。いや、ほんとに。

 

そんなわけで今年は(も?)採用活動を頑張って行きますので、生暖かい目線で応援していただけると幸甚に存じます。