投稿日:2023年02月04日

【札幌 弁護士コラム】「ごめんね」と言える弁護士

こんにちは、荒木でございます。

 

今日は1日雑務の日。

愛車の車検など行ってきました。

 

さて、弁護士に対するイメージというと「法律で争う」とか「裁判で決着をつける」といったことが挙げられるように思います。

同業者からすると、「理屈っぽい」とか「やたらとけんか腰」といったような人もまま見受けられます。

そのようなことから、弁護士というと我を通したがるし、簡単に謝らないというのが典型的なイメージなのかも知れません。

 

しかし、私(荒木)って結構簡単に本人に代わって謝ったりもします。

だって、間違ったことは謝るべきなんですから(笑)。

 

もちろん、依頼者本人の了解を得てしかやりませんが、弁護士の平均値を取ると謝れる人ってごく少数なような気がします。

それもわからないでもなく、依頼を受けた業務については、1円でも賠償額を下げたり、1円でも請求額を多くするのがぱっと見は正当な業務と考えられるからです。

そしてそれが弁護士報酬に跳ね返ってくるという背景があります。

 

業界を見渡すと、依頼者本人はそう争いたいわけでなくとも、弁護士から「こうやって争いましょう!」と言われると案件がその方向に流されてしまうことが多々あります。

言ってみれば、弁護士が紛争を作っている状態です。

 

しかし、本人が特に争いたくもないものを争うのが本当に正当なのでしょうか。

 

これは案件の依頼の趣旨に立ち返らざるを得ません。

依頼者はもちろん法律のプロではないので、案件のポイントがどこで、どのように進展していくのかわからないことがほとんどでしょう。

ただ、依頼の根底には、会社であれば「正常な会社経営機能を改善又は回復したい」ということですし、一般の人であれば「幸福な生活をしたい」ということがあるはずです。

それを紛争に発展させることが是であるのか、否であるのか、実は吟味する必要があります。

 

もちろん、理不尽なことであれば訴訟に踏み切ってでも白黒をはっきりつける必要のある場合もあるでしょうが、

そこまでの必要性がない場合も多く存在します。

そのような必要性のない場合にまで全て紛争に発展させるとすれば、弁護士のコストはもちろん、当事者間の人間関係が修復不能になったり、紛争の経過に対して認知能力を奪われたりする弊害が発生するというデメリットが生じてきます。

 

だから、私(荒木)は間違ったことは素直に謝ることを進め、むしろ自ら率先して謝ることにしています。

場合にもよりますが、素直に謝ってみると、意外と話し合いが出来るようになるケースは多いものです。

 

そのことは有名な金子みすゞの詩にも書かれています。

 

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「遊ぼう」っていうと

 

「遊ぼう」っていう。

 

「馬鹿」っていうと

 

「馬鹿」っていう。

 

「もう遊ばない」っていうと

 

「もう遊ばない」っていう。

 

そして、あとで

 

さみしくなって、

 

「ごめんね」っていうと

 

「ごめんね」っていう。

 

こだまでしょうか、

 

いいえ、誰でも。

 

金子みすゞ「こだまでしょうか」

 

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「馬鹿」と「もう遊ばない」だけ言っていると確実に紛争に発展します。

最初から「ごめんね」というと相手方も「ごめんね」というものです。

こんな簡単な心がけで紛争というものは多くが回避できるのではないでしょうか。

 

あ、ちなみに「ごめんね」って言っても「馬鹿」って言ってきた場合には即刻、弁護士を呼んでくださいね(笑)。

 

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