おはようございます、荒木でございます。
今日は、事務所の仕事始め。
毎年恒例行事ですが、所員一同で北海道神宮に初詣でに行く予定です。
今年は本厄となる年ですが、東京進出は無事に果たすべく精進して参りたいと思います。
さて、4月からは弁護士法人化して、パートナーの弁護士とひとまずは二人三脚で経営していくことになるわけですが、その効用がどうか、ということについて触れてみたいと思います。
まず、わかりやすいところでは労働力の側面。
単純に弁護士1人よりも2人のほうが受けられる業務量は多くなりますし、大型のDDなど2人いるからこそ受けられる業務も出てくるでしょう。
また、私(荒木)の健康リスクや業務の重複によって処理が遅滞するリスクも減らせるという意味があります。
しかし、この労働力の話というのは、共同経営においてさほど大きな意味を持ちません。
それ以上に大きいのは2つの異質なものが生むシナジーです。
私(荒木)は、大手法律事務所から札幌のいわゆる街弁に移籍し、独立した上で、相続対策の会社やM&Aの会社を立ち上げるとともに、30代半ばから上場会社の役員を務めるといった、割と異質の経歴。
パートナーの弁護士も、大手法律事務所から、M&Aや資金調達を担う証券会社へと転身したという、これまた異質の経歴なのです。
それだけでも業務でカバーできる範囲が異なり、相乗効果が生まれる余地があります。
このことをより精緻に表しているのがエフェクチュエーションの考え方。
これは、バージニア大学のサラスバシー教授が提唱した考え方で、実績を挙げたアントレプレナーへのインタビュー調査から帰納的に作り出された理論です。
この理論は5つの原則から成り、アントレプレナーの成功の要因を示すものとして活用されています(本稿では詳しくは取り上げないこととさせて頂きます。)。
そのエフェクチュエーションの考え方に、今回の弁護士法人化のことを当てはめると、まさに「クレイジーキルトの原則」が妥当します。
「クレイジーキルトの原則」とは、「目的のため関与者を集めるのではなく、すでに周りにいる関与者と共に新しいものを作っていこう」という原則を指し、他者に対して「asking」(問いかけ)を行って関与を求めることから関係性が始まるというものです。
何か固定的な目的(例えば、「札幌で交通事故事件の受任件数1位を目指す」)であれば、このようなことは必要ないのですが、一定程度抽象的な目的(例えば「成長を目指す企業のリーガルプラットフォームになる」)であれば、それに必要な要素や手段というのは明確になっておらず、「一緒に事業をやる」ということが目下で必要なこととなります。
そして、関与者の協力によって「何らか」の形ができていくことになり、それが時に大化けするということが指摘されています。
まさしく今回の弁護士法人化というのは「クレイジーキルト」そのもの。
一定の方向は定まってはいるものの、結果として着地するのがどこかは当事者である私(荒木)にもよくわかっていません。
ただし、エフェクチュエーションの考え方よれば、こういった組織の形成により結果を残した事例は枚挙に暇がありません。
今後、当弁護士法人がいかなる成長や変化を遂げるか、生温かい目で見守って頂ければ嬉しく思います。
【東京進出まで あと88日】