こんばんは、荒木でございます。
今日は朝から準備書面の作成、午後は行政事件で北海道庁へ。
戻ってからは諸々のドラフト作業と、年末の追い込みに入っているところです。
さて、弁護士業と事業についての考え方をもう少し続けます。
色々と思う部分はあるのですが、その中の一つが「産業としての高度化」です。
多くの産業において、その産業が始まったときから比べると現代においては、産業としての高度化が見られます。
わかりやすいところでは製造業。
昔は製造業というカテゴリがなく、各家庭において物を製造し、余剰物を交換することで経済が成り立っていたものが、家内制手工業として専門家し、さらに産業革命を経て機械制代行業となり、現代ではやれロボットだ、やれAIだという次元まで高度化が進んでいます。
そして高度化するたびに、生産量が増加し、製造効率が上がっています。
これに比べると弁護士業はどうか。
最近でこそ、データベースの検索システムが進んできたり、AIによるリーガルチェックが行われるようになってきたりと、小さな動きが出ては来ています。
しかし、大枠として見た場合にはどうでしょうか。
相変わらず弁護士は依頼者の相談を聞くところから始まり、戸籍や住民票を集めたり、各所に問い合わせて資料を出してもらったりして、それをまとめて主張を作り、相手方と交渉するなり、裁判所に提訴するなり、といったことが基本構造となっています。
もちろん、東京を中心として、企業法務畑では、リーガルチェックのみならずコンプライアンスやガバナンスといったところでのニーズも出てきてはいますし、スタートアップにおける資金調達やM&A周りの業務もあります。
しかし、それらはかなり限られた業務領域ですし、やはり弁護士の職人としてのワークロードにかかっていると考えざるを得ません。
このような意味において弁護士業が「産業としての高度化」を果たしているといえるのか、疑問が残るわけです。
「産業としての高度化」といえるためには、人手が要らなくなる、コストが下がる、新しい商品設計が提示できる、といった要素が必要です。
言葉を変えれば、構造自体が変化している、評価できことが求められるでしょう。
弁護士業は、それ単体で成り立つものではなく、依頼者との関係性を抜いて語れるものではありません。
依頼者の意向があり、依頼者に適したサービスを提供しなければならないという点において、制約条件があります。
しかし、というか、だからこそ、弁護士業の「産業としての高度化」にチャレンジすることは必要なのではないかと思うわけです。
弁護士業の構造まで変えるのは、容易なことではない、どころの話ではなくむしろ「無理ゲー」に近いのかも知れませんが、何らかの変化を与えられるような存在になりたいと考えている今日この頃です。
【東京進出まで あと98日】