投稿日:2022年11月29日

【札幌 弁護士コラム】やめられない、とまらない。ビバ☆何でも屋稼業

こんばんは、荒木でございます。

 

昨日は準備書面の作成を勧めていたところ、既存の訴訟案件で大きな動きが出たため、直ちにリサーチをしてお客様への報告を行うなど。

やはり訴訟は生き物で、一筋縄ではいかないものです。

別件の交渉案件については、無事に終結を迎え、お客様への報告を行いました。

今後の顧問契約もご検討いただけるとのことでありがたい限りです。

 

さて、弁護士業というのは守備範囲が広いこともあって、初対面の方などには「荒木さんって、専門は何ですか?」と訊かれることも少なくありません。

目下のところでは、M&A、事業承継がメインフィールドではありますが、企業の顧問業務をやっているとなかなかに色々と訊かれるものです。

 

「従業員を辞めさせたいんですが、どうしたらいいですか?」とか、

「売掛金が焦げ付いたんですが、回収できませんか?」とか、

「新規の取引先との契約書を見てほしいんですけど。」といった質問はかなり王道の質問に当たります。

 

その他に、

「店の前に路上駐車している車があって、駐禁を取られているんですが、うちに責任はないですよね?」とか、

「うちの従業員同士の男女関係がこじれてるみたいなんですが、どうしたらいいですか?」とか、

「社長である自分が従業員からいじめられてるんですが、何とかならないでしょうか?」とか、

ちょっと変わり種の、でも一応は法律問題のようなご相談もあります。

 

さらには、

「誰か経理人材がいればご紹介してもらえませんか。」とか、

「講演会で話すのに旬な法律ネタとかないですか。」とか、

「固定資産評価証明書ってどうやってとるんですか。」とか、

何だか法律問題でないようなご相談だってきます。

 

果ては、「何か荒木さんのおススメの飲食店教えてくださいよ。」といったご相談(?)まで寄せられてくる始末です(苦笑)。

 

こうやって、多種多様、百花繚乱の質問、ご相談に対応していると、本当に知識と対応力が上がってくる感覚が湧いてきます。

そうすると、自分の中で

「これはちゃんとした質問だから答えよう。」、

「これは問合せ先が違うと答えよう。」、

「これはもう一回検討してから来てもらおう。」、

「これは他の人に振ろう。」、

「これは聞かなかったことにしよう。」(笑)などと、

分別が出来るようになっていることに気が付きます。

 

新人の頃もどんな質問が飛んでくるかわからない法律相談のブースに入っていましたが、まぁその時は恐る恐るもいいところ。

弁護過誤を起こさなかったのが奇跡なんじゃないかと思うぐらいです(すくなくとも表立ったものはありませんでした。)。

 

そう考えてみると、人生の幅が広がり、視野が開けたような気にもなってきます。

こうした成長を実感できるというのは、様々なことの対応を経験した人の特権かも知れませんね。

 

一方、商売のことだけを考えると「一点集中」「業務特化」することのほうが、少なくとも小規模事業者にとっては利益が上がると言われています。

かく言う私(荒木)自身もコンサルタントの先生から「荒木は何を売っているのかわからない。」と、グサッと刺されたこともあります(汗)。

確かに、交通事故なら交通事故、離婚なら離婚で業務範囲を絞れば、知識やノウハウの習得の効率が上がり、それがマーケティングに使えることから、商売で有利になるのは間違いないでしょう。

私(荒木)のように何でも屋をやっていてがっつり稼ぐというのは、なかなかのいばらの道ですね。

 

しかし、それを自分がやりたいのかどうなのか、ということは立ち止まって考える必要はあります。

二宮尊徳の言った「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」ではありませんが、経済的に成功していればそれでいいか、ということです。

 

その観点でいえば、私(荒木)はどうしても経済に振り切れないという心の弱さ(?)があるように思われてなりません。

 

「へぇ、こんな世界があるんだー。」とか、

「はぁ、こんな考え方をする人もいるのね。」とか、

「何と、世の中こんな事件が起こってるんだ!」とか、

そんな体験をすることに感動を覚えがちなんでしょう。

そういえば、先日お会いした方のやりたかった仕事が「世界ふしぎ発見」のミステリーハンターだとおっしゃていましたが、感性は近いのかも知れません。

 

自分の気持ちに素直になるのであれば、毎日毎日同じデスクワークをしてがっつり儲けるよりも、外に出て知らない世界を探すことのほうが性に合っているのだと思います。

まぁそれだけワガママな仕事のやり方をしていても、困らないくらいの小銭は稼いでいるので、止める動機も希薄なわけで。

このやり方で、ビジネス的にどこまで成功できるのかを試してみるのもまたチャレンジなのかも知れないですね。

 

というわけで、何でも屋稼業にはそれなりの魅力と可能性があるのでは、と信じて精進していきたいと思います。