投稿日:2022年11月20日

【札幌 弁護士コラム】「美味しいものなんて、必要ない!」:福岡のスイーツに学んだブランディングの話

こんばんは、荒木でございます。

 

札幌に戻ってまいりました。

明日から再度フル稼働です!

 

さて、今日、福岡から帰ってきたのですが、帰りの福岡空港でとあるスイーツを買いました。

それが「伊都プリンセスのフルーツどら焼き」。

生のフルーツとクリームを生地で包んだスイーツです。

 

このスイーツは「伊都きんぐ」というブランドでスイーツを展開している株式会社エモテントの姉妹ブランドである「伊都プリンセス」シリーズものです。

このブランド、なかなかにとんがっており、そのキャッチフレーズが強烈。

 

「美味しいものなんて、必要ない!!」

 

というのがそれです。

パンフレットの表紙に、エメラルドグリーンの背景にピンクでそのキャッチフレーズが記載されています。

 

そのキャッチフレーズにつられてついついパンフレットの中身を見てしまったわけですが、記事の中に「!」の数(驚いた回数、というのではく記号として書かれている数)が半端ない!(汗)

そして「大切にしている『4つのこと』」として記載されていることの一番目が「気合で負けない!」という、今のご時世だとやや前近代的とも思える力技の文言も(笑)。

なかなかに読む者の意識を惹きつけるようなパンフレットになっていました。

 

それで肝心の、「美味しいものなんて、必要ない!!」というキャッチフレーズの由来です。

「だって、凄く美味しいものって、世の中にはたくさん存在する。だから、それだけの価値で満足していてはダメだと思ったのです!!」との問題提起があり、それに対する答えとして、お肉を食べるなら一人よりもバーベキューの方が美味しい、スポーツ選手は一生懸命練習しているからこそ感動する、という例を挙げたうえでの結論がこれ。

 

「これって、そのもの自体の価値は当然大切なのですが、それ以上に別の『何か』が影響しているのだと思っています。『何か』によって、大きくそのものの価値が高まる場合がある、ということだと思っています。」

 

…って、「何か」って何ーーー!?

と、思わずツッコミを入れたくなってしまいました(笑)。

 

まぁツッコミは置いておくとすると、このスイーツのブランディングで大切なことは、若さ溢れ、まだまだ未熟ですが頑張っとりますけん(?)、ということを伝えていることです。

「何か」が良くわかっていない雰囲気がプンプンしますが、「!」の多用や、「気合で負けない!」という社訓(?)でわかるように、若さを強調していることが見てとれます。

完成度合いが低いとしても、「若くて頑張ってるんだから1つ買ってやるか。」と思わせる空気感が醸成されているともいえるでしょう(スイーツ自体は本当に美味しかったんですよ。)。

 

このスイーツのブランディングに何を学んだか、というと、「完成されていることがすべてではない」ということ。

「スイーツを作るんだから最高峰の美味しさを追求しなければならない」、という固定観念を外し、「何でもいいから興味持ってくれれば嬉しいっす!!」みたいなことでもブランディングは成立するし、商品が売れることを勉強させてもらいました。

 

私(荒木)の本業に引き直して言えば、

 

「裁判に強いです!」とか

「判例をめっちゃ知ってます!」とか

「相談には親身に乗ります!」とか

 

そんなありきたりの売り文句だけではなく、

 

「裁判やめましょう!」とか

「裁判所、行きたくないっす!」とか

「すんません、いやなお客さんの話は聞かないっす!」とか

 

そんなことでもブランディングできるのだということが分かったような気がします。

あ、ちなみに後者3つは私(荒木)がしょっちゅう言ってることですが(笑)。

 

そんなわけで美味しく食べ、勉強になったスイーツの話でした。