こんにちは、荒木でございます。
昨日は某誰でもご存じの商社からのご依頼のお話がありました。
法務担当の方が本州からわざわざお越しいただき、労務問題対策と北海道での新規事業のご相談を頂きました。
大手企業と北海道をつなぐような役割も果たしていきたいと考えております。
今日から名古屋出張でございます。
いい経験ができることを期待しております。
さて、以前にご依頼を頂き、対応を続けてきた債権回収の案件で、債務者が破産するという出来事がありました。
このため、先日、依頼者の方に状況のご報告と今後の見通しのご説明を差し上げました。
こういった案件では、残念ながら債務者は「ない袖は振れない」状態になってしまうのであり、全く債権回収ができない(廃止事案)のが通常であり、運よく配当があったとしても数パーセント程度が関の山になります。
特に中小、零細企業であれば、もともとの内部留保が小さいということもあり、破産申立代理人費用と管財人報酬ですっからかんというのがデフォルトともいえます。
今回もそんな事案でしたので、「すみません、これ以上は何ともしようがないです。」といったご説明をせざるを得ませんでした。
業務規模からすると相当程度大きい売掛金を保有していた依頼者の方は、当然のことながら債務者に対する怒りを隠しきれないご様子。
そして「センセイ、何かできることはないんでしょうか。」と。
破産手続が始まってしまえば、後は管財人と裁判所にゆだねるよりないので、客観的にはいかんともできない状況です。
私(荒木)も回答に窮した部分がありましたが、やむなくお話をしたのが、いつもの「転ばぬ先の杖」のお話です。
いつものことですが、要点はこのようなことです。
・債権回収業務は過去にどのような債権が発生しているかの確定と、いままでに債務者がどのような資産を形成してきたかの振り返りでしかない
・債務者の財産の減少をこちらの力で止めることはできない
・債権回収の財源を過去にさかのぼってこちらで確保することはできない
・債権回収の問題に直面しないためには、与信管理や担保権の設定等を事前にやっておかなければならない
・債権回収のフェーズに至って初めて弁護士に相談するのではなく、与信管理や担保権の検討に当たって弁護士をつかうことが適切である
このようなことを一般論に置き換えていえば、以下のようになります。
・紛争が起こった後でできるのは過去の振り返り作業のみである
・現在から過去は変えられない
・振り返り作業でできることには限界がある
・だからこそ法務であったとしても将来のために対応を行っておく必要がある
・そのために弁護士に相談するのは何もないときでならない
こんな話って、このブログでは100回くらいは書いているような気がするのですが、なかなか浸透しないものですね…。
特に「紛争は過去の振り返り作業」という部分については、少し考えればわかるはずなのですが、一般の方はおろか、弁護士でもあまり語られていない部分です。
紛争がなくなったら弁護士業が成り立たないと思っているからなのでしょうか。
しかし、この部分を直視せずに、法律のリスクを回避することは決してできません。
だからこそ、少なくとも事業を行っておられる方については、日常使いできる顧問弁護士を置いて頂き、何もない(と経営者が思っている)段階からご相談されることをお勧めしているわけです。
「後悔、先に立たず。弁護士、後で立てても仕方なし。」とでもいえるのではないでしょうか。
上記のお客様もこのようなご説明をしたところ、納得して頂いたようで、「これからは仕事を受けるときにもご相談させて頂いたほうがいいんですね。」とおっしゃってくださいました。
地道な活動ではありますが、こういった考え方の変化をご提案差し上げるのが私(荒木)のライフワークの1つではないかと考えています。
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