投稿日:2022年02月11日

【札幌 弁護士コラム】たまには真面目に「事業」について考えてみたというお話

こんにちは、荒木でございます。

 

少々ブログをサボっておりましたが、改めてネジをまき直して行きたいと思います(汗)。

今週は投資案件のDDと契約書作成、交渉案件の対応、社外取締役になっているエコミック会議等がありました。

 

さて、そのような中で「なぜ人は事業を行うのか」という疑問を改めて考える機会がありました。

 

もちろん、人が家計を維持するためには収入を得る必要があります。

収入を得るためには、普通でいえば働くか収益の発生する資産を保有するよりありません(相続とか宝くじが当たるとか、そういうのもありますが。)。

そして、広義の「働く」ということを分解すれば、自らの事業により収入を得るか、他人の事業に関わることによって収入を得るかの二択になります。

ご案内の通り、後者については、雇用されるか、下請けになるか、という分岐がありますが、いずれにしても雇用主や元請けの利益に従属することになり、収入はどこかで頭打ちになります。

一方で、自ら事業を行うということであれば、上手くいけば青天井の収入を得られることになります。

その反面、上手くいかなければ赤字になって収入がなく、倒産ということになってしまうリスクを抱えています。

 

とまぁ、ここまでは当たり前の話なはず。

でも自ら事業を行うというのは家計を維持する以外の何かがあると考えざるを得ません。

 

1つには、「もうそんなにお金は要らないでしょう」と思えるくらい事業で稼いでいる人がいるという現実があります。

もちろん、事業はいつ上手くいかなくなるかわからないリスクがありますので、余裕資金が必要ですし、リスクに備えるためのコストも必要です。

しかし、明らかにそれを超えて、収益を増やそうと励んでいる人がいるというのは、もはや趣味としか言えない段階に至っているのでしょう。

会社の規模が一定以上になって、美術館を建てたり、海外の支援活動に資金を投入したりする人もこの部類ですね。

 

もう1つには、「儲かっていないのにやめられないのでやっている」という状態の事業が存在するということもあります。

これも2つに分解するとすれば、親など誰かから引き継いだからやめられないというパターンと、最初は良かったけれども調子が悪くなり従業員を守るなどのためにやめるにやめられなくなったというパターンがあるように思います。

そして、いずれのパターンについても「一旦走り出すと、止まれないような気がしてくる」という思い込みが生じることがあり得ます。

 

また、ドラッカーは「組織の成果は組織の中には存在せず、外部にしか存在しない」ということを言っています。

すなわち、事業のために組織を作った場合、事業の組織自体を維持することは組織の目的足りえないということです。

このことからも、事業には自らの家計を維持する以外の目的が存在する(べきである)ということが指摘されます。

 

翻って、私(荒木)が「なぜ人は事業を行うのか」と考えさせられたケースは以下のようなものでした。

・親から引き継いだ事業に身が入らず、惰性で意思決定をしてしまっている経営者の例

・業績が伸びないため、いつの間にか会社自体を維持することしか考えられなくなっている経営者の例

・それなりに堅調な事業をしているが、この後、事業を子供に継ぐことも廃業することも決めかねている経営者の例

 

いずれにしても「なぜ事業を行うのか」というところが固まっているとしたら、容易に意思決定ができる話のように思われます。

これが後付けで考え始めるとどこかでそれまでの事業運営と矛盾を生じますし、従業員、固定資産、負債の存在によって方向転換ができないということも生じてきます。

場合によっては、方向転換をすることでステークホルダーに迷惑をかけることも少なくありません。

これらから言えることは、事業を行うことについての初期設定がいかに大切か、ということです。

 

事業は多くのステークホルダーを生じるため、事業家、経営者は様々に責任を負う存在です。

その責任の中でも最も重いものが、実はこの「なぜ事業を行うのかを考える」という部分なのではないでしょうか。

 

今日はかなり抽象的な話に終始してしまいました。
それだけ私(荒木)の悩みが深いのかも知れませんね(汗)。

 

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