こんにちは、荒木でございます。
これから東京出張でございます。
オミクロン株がずいぶんと幅を利かせているようですので、十分に気を付けてまいりた位と存じます。
さて、先日、顧問先様から労働関係のご相談を頂きました。
2件あり、2件とも従業員が他の目下の従業員に対して迷惑をかける行為を行うので、どうしたらいいか、というもの。
この2件は構造的にも似ており、権限や業務範囲が明確になっていないところで、ベテランの従業員がマイルールを作り、他の従業員をそれに従わせようとし、従わないときには何らかの冷遇をしたり、強い口調で物を言ったりするというものでした。
この会社からは、ちょくちょくこういったご相談を受けています。
直接的なご相談としては、これらの従業員に対し、減給したり、解雇したりできないか、というものでした。
この個別のご相談については、逐一の回答はしましたが、私(荒木)が本来的にアドバイスすべきはこの部分ではないと感じました。
そこで、私(荒木)は、ご相談にいらっしゃった総務の方に対して、「似たような事案が断続的に起こっているようですが、根本的な原因はどこにあると思いますか?」と質問しました。
この方は「お恥ずかしながら…」と前置きをしつつ、会社で起こった出来事や、会社がどのような雰囲気なのか、社長がどのように考えているのか等をお話してくれました。
結論的には、社長に対し、従業員とのコミュニケーションを多くして、会社としての考え方を伝える機会を増やすのではどうか、という提案をして頂くことで落ち着きました。
こういったケースはこの会社だけのものではなく、他の会社でもままあることです。
そして共通しているのが、弁護士に持ち込まれる案件は、病気でいえば「症状」の部分だけということ。
「病巣」や「病因」の部分の相談をされることはまぁありません。
そうであるからこそ、本来的には「病巣」や「病因」の部分まで踏み込んで解決を図らなければなりませんが、なかなかそこまで踏み込む弁護士というのも多くはありません。
そこまでの力量がないということもあるでしょうし、そこまでやるべきではないと考えているのかもしれません。
しかし、一番大きい要因は、報酬体系が紛争案件を前提として構築されているため、紛争が起こったほうが実入りが良く、紛争が起こらなければ実入りがない、という判断があるからなのではないでしょうか。
これは意識的にそう考えるばかりではなく、無意識に「自分の仕事は紛争処理だ」と考えている場合も含めてそういえる部分です。
以前、弁護士会の倫理研修で先輩の弁護士が「新規の顧問契約でいきなり月額50万円などという金額を提示された場合には怪しい会社と思いなさい。」というようなことを言っていたことをよく覚えています。
当然、いくつかの前提はあるのでしょうが、その一つには「紛争が起こったら別料金なので、この金額だと高いのではないか。」という判断が入っているような気がします。
しかし、紛争を予防することは、紛争になってからそれなりの解決をするよりも価値が高いことは明らかですし、予防するためにコミットしようと思ったらそれ相応の行動が必要になります。
先ほどの例では、社長のところに総務の方と一緒にいって従業員の環境整備の必要を説き、社内制度を改める案を作成し、社長が従業員との1on1ミーティングをやってくれるためのお膳立てまでやらなければならないかもしれません。
そう考えると顧問料50万円が高いというは本当でしょうか、という気になってきます。
いずれにしても私(荒木)は、弁護士は「症状」の部分だけを何とかするような対処療法だけでは価値がなく、「病巣」「病因」まで踏み込んだ解決を図らなければならないと考えています。
そして現実にそのような動きをするのだとすると、顧問を依頼する企業にとっても、一般的な顧問料はあまりにも安いように思えてくるのではないでしょうか。
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