おはようございます、荒木でございます。
10日まで二泊三日で読書合宿(ホテルに引きこもって外部との通信を絶ち、ひたすら本に向き合うというイベント)を行ってまいりました。
今回で3回目だけあってだいぶ慣れてきており、実りある3日間になりました。
せっかくなので、読んだ本の内容について少し触れたいと思います。
過去2回から引き続き、ドラッカー名著集という15巻セットの本を読んでいるのですが、今回はその9巻からのスタートでした。
<ドラッカー名著集>
今回読んだ内容は実務的というよりも比較的、教養的なものが多く、すぐに使えるというよりはじんわり、ゆっくりと効いてくるような内容がメインでした。
さて、何事を行うにもモチベーションというのは大事なもの。
新年も過ぎて普通の生活に戻ってきた途端に緩みがちになってしまっている方も多いのではないでしょうか。
(かく言う私(荒木)もですが…。)
この点につき、読書合宿の際に読んだ「企業とは何か」(第11巻)の中にあるエピソードが出てきます。
この本は、ドラッカーがGM(ゼネラルモーターズ)から依頼を受け、会社の内部を見てその改善点を指摘するという内容の本です。
その中で、第二次世界大戦に入りGMが軍需品を生産するようになり、従業員の士気が落ちたときの話が書かれています。
従業員は慣れない作業に戸惑うことで気持ちが入らず生産性が上がらなかったところ、その状況を案じた経営層が完成品である爆撃機を工場に持ち込んで見せたそうです。
それを見た従業員の士気は突如上がり、大幅な生産性の向上が見られたのでした。
また、並行して読んでいる「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」(アダム・グラント著、楠木建訳)でも似たような話が出てきました。
この本のテーマは「giver」(他人のために与えようとする人)と「taker」(自らの利益を求めようとする人)のいずれが自己実現しやすいかを論じたものですが、その中で奨学金の寄付を求める勧誘をする人の話が出てきます。
与えられたリストについて電話で寄付の勧誘を行うのですが、断られる率が高く、しかも取り付く島もないような形で電話を切られることも多いという。
そんな中で士気が下がっている勧誘員に対し、実際に奨学金を得ている学生からの手紙を見せ、勧誘員に実際に合わせることを行ったことでやる気を取り戻させた話がありました。
(文脈としてはgiverである勧誘員が一定の条件の下でパフォーマンスを発揮するという事例であり、その条件が、自らのやっていることに意味があることを実感できるという見返りがあること、を示すものです。)
このように、いくら真面目にコツコツやる人であっても、何らかの成果が見えなければモチベーションは次第に落ちてくるものです。
もちろん、金銭的な見返りやあからさまに褒めてもらえるということがあるのならば心配ないのでしょうが、多くの行動はすぐに成果が見えないものです(このブログもそうですね(汗)。)。
だからこそ人為的に成果を見える化しなければ、モチベーションを維持できないということが起こります。
経営者であれば従業員に対してそういった仕組みを作らなければ、次第にモチベーションが落ちてくるということになります。
そろそろ新年で入った気合も抜けてくる時期。
もう一度、モチベーションについて見直してみてはいかがでしょうか。