投稿日:2022年01月03日

【札幌 弁護士コラム】私(荒木)が裁判をやりたくない4つの理由

こんばんは、荒木でございます。

本日、実家の三重から戻ってまいりました。

今年は年末年始休業が短いですが、業務再開までに十分に力を蓄えたいと思います。

 

さて、今年は、業務的にはM&Aに力を入れてまいりたいと考えておりますが、その1つの理由として私(荒木)は紛争処理というものにあまり価値を感じていないということがあります。

もっとはっきり言ってしまえば私(荒木)は訴訟などの紛争処理が嫌いなんです(あぁ…、言っちゃった。)。

「訴訟のことは嫌いになっても、裁判所のことは嫌いにならないでください!!」と言った裁判官がいたかどうかは定かではありませんが(多分いないw)、裁判所を介した仕事自体が好きではないのです。

 

その理由はいくつかあります。

 

理由その1。

ある意味、形式的な理由ですが、そもそも東京で弁護士になりたての頃は、ファイナンス業務に従事していた関係で、紛争処理業務に従事することがなく、札幌に移籍するまではあまり馴染みがありませんでした。

東京での仕事では、「紛争になったりしたら超一大事」というほど、プロジェクトにおける1つ1つの動きに法的な問題がないかを確認しながら進めるような仕事でした。

その関係で、「そもそも紛争を起こしてはならない」というものが体に染みついている部分があり、あまり紛争処理向きな体質が形成されていないのかもしれません。

 

理由その2。

上記とも関係するのですが、紛争が起こると取り返しのつかない状況がありうること、紛争になってしまうとすべての当事者が多かれ少なかれマイナスの影響を受けてしまうということが言えます。

そうであるからこそ、事前に紛争を予防すること、すなわち予防法務が重要であると考えています。

「紛争が起こってしまったらその時点で負け」というようなことをたまに言いますが、訴訟でたまたま勝ったとしても、その弁護士報酬や対応に要した時間は依頼者にとっては損失として見ざるを得ないことになります。

 

理由その3。

紛争処理は、個人であれ会社であれ、本来的にやるべきことではない、ということが挙げられます。

すなわち、紛争を起こすことを目的として生活している個人もいなければ、営業している会社もない(はずである)ということです。

紛争は予定していない突発的な事故であり、その他に本来的にやるべきことがあるはずです。

そうであれば、私(荒木)がなすべきと思うのは、事故処理としての紛争処理ではなく、依頼者の本業や依頼者が本来的にやりたいことを支援させていただくのが優先事項であるべきということです。

 

理由その4。

弁護士の報酬は、一般的に高額であると思われがちなものです(私(荒木)もそう見られがちです(汗)。)。

それも故なきことではなく、資格取得に多大なコストをかけ、法律の専門家として幅広い領域をカバーしているのであり、その業務は大量生産品ではなく一点物ばかりということで、高額なチャージになることはやむを得ない部分があります。

上記3とも重なる話ですが、問題は、対応すべき対象の価値と見合っていないことにあります。

すなわち、紛争処理で得られる価値というのは極めて限定的であり、過去に発生した紛争による損害を補填するかどうかという争いに焦点が絞られるのであり、未来を創造する価値は生じません。

一方で未来を創造することに弁護士を使うのであれば、その得られる価値は理論上は無限大になるのであり、決して価値に比して高いと思われない業務もあるはずです。

 

以上のようなことから、私(荒木)は紛争処理をメインの業務としては取り扱っておりません。

おかげ様でそのような身勝手なことを申していても、一応は糊口をしのぐことはできるようになっているのは本当にありがたいことです。

今年はご提供できる価値をより一層明確にできるよう、情報発信を続けてまいりたく考えております。