投稿日:2021年10月16日

【札幌 弁護士コラム】「あいつはアホだ!」という前に

こんにちは、荒木でございます。

 

緊急事態宣言が明けるやいなや、出張が連続しており、なかなかに多忙な日々を送っております。

日本酒外交のほうも再開しておりまして、そちらも多忙の一因となっております(汗)。

 

さて、私(荒木)も日々、会社の相談に乗っているわけですが、法律の相談を超えて経営相談になることもままあります。

そんな中で否応なく、「経営者にとって必要なものは何か」ということを考えさせられることも。

もちろん、私(荒木)自身が経営者としてはまだまだ半人前ですので、大それたことは申し上げられませんが、ご相談に共通する問題を感じることもあります。

 

その代表格なのが「外部環境にどう向き合うか」ということです。

経営における外部環境としては、昨今のコロナ禍のようなものはもちろん、景気変動、原材料の高騰、労働市場の変動、不動産価格の騰落等、多種多様なものがあります。

そのような外部環境にどう対処していくか、ということは極めて重要な課題といえます。

 

「社長は変化対応業」という言われ方をしたりもしますが、まさしく会社のかじ取りというのは外部環境の変化に応じて、会社をどのような方針で運営していくのかにほかなりません。

仮に、外部環境が全く変化しないのであれば、その環境に一番フィットした経営体制を作ってしまえば、あとは永続的な自動運転で事足りるはずです。

しかし、実際には外部環境が変化しない時期は存在しませんし、外部環境の変化を止めることはできません。

 

そうだとすると、「コロナの影響ガー」とか、「景気の後退ガー」とか、「原材料の高騰ガー」とか言っていても、その影響を回避することはできません。

それにもかかわらず、外部環境の変化に対して嘆き、経営がうまくいかないことを外部環境のせいにするのはナンセンスなことがわかるかと思います。

裏を返して言うと、外部環境のせいにしているということは、うまくいかないことを自分や自分の会社のせいだと思っていないことになります。

そうすると何が起こるかというと、何ら主体的な改善を図らず、ただ外部環境が良くなることをひたすら希うことしかできなくなってしまうことでしょう。

もちろん、それで改善がなされることもないではありませんが、すべての外部環境が待っていれば思うように改善されるわけではありません。

要するに、自らの問題として取り組まない限り、うまくいくかどうかを外部環境というくじ引きにゆだねるだけになってしまうのです。

 

このような思考の「バグ」の背景にあるのは「他責思考」にほかなりません。

これが自らに原因を求める「自責思考」に転換したとすれば、外部環境をとやかくいうことはなくなるはずです。

この場合、うまくいかない原因を「外部環境にある」と考えるのではなく、「外部環境に対応できなかった自分にある」と考えるべき、ということになります。

 

ただ、こう考えるのは辛いことも少なくありません。

かく言う私(荒木)でも判決をもらって負けることもあり、内心では「どう考えたって裁判官がおかしい!!」と思うことがあっても、それをぐっとこらえ、一人酒を呷って呻くだけということもあります。

「あいつはバカだ!」「あいつはアホだ!」「あいつは(自主規制)だ!」ということは簡単ですが、それだけでは何も解決しないんですよね。

辛くても苦しくても、まずは自分の責任であると考えなければ何も始まりません。

 

そんなわけで、返す返すも自責思考をもって外部環境に向き合うということは大事なことだと思い返している今日この頃です。