投稿日:2021年08月13日

【札幌 弁護士コラム】「いい人」しか勝たん、ビジネスの世界

こんばんは、荒木でございます。

 

事務所は絶賛夏休み中ですが、私(荒木)自身は事務所でせっせと働いております(汗)。

 

さて、ビジネスに携わる人にとって「どうやったら仕事を取れるのか」というのは永遠の課題です。

とりあえず仕事を取れなければ業務改善も効率化も生産性向上も何もないわけで、いの一番に考えなければならないのが仕事を取ることといえるでしょう。

そして、実際のところ、仕事さえ取れれば売上げが上がるため、いいか悪いかは別としてもそれ以外のことを考えなくてもビジネスとしては生き残っていくことが可能になります。

 

ではどうやったら仕事が取れるか。

「いい仕事を、安く、早く」やれば仕事が来る、吉野家でいえば「早い、安い、うまい」ということが一般的ですが、これは買手がすべての情報を持っている、というフィクションの上に成り立つ公式です。

 

定価が明確に存在するようなビジネスであればまだしも、多くの仕事は定価のないところで相対で価格が決まることになっています。

その中では、当たり前に価格に見合わない低品質の仕事をやる輩がゴロゴロと転がっていますし、場合によっては仕事をせずにバックれる、ということすら起こります。

だからこそ買手としては、何とか外れを引かないように、騙されないように、とする意識を根強く持つようになります。

要は、商品やサービスを買うことに対してガードを高くして防御の体制を取るわけです。

 

それに対して売手としては、何とかしてガードの隙間を縫って売り込まなければなりません。

ここで、自らの商品やサービスを「いい商品ですよ!」とか「安いですよ!」とか、ストレートに売り込むのはガードの上にパンチを打っているようなもので、大して効くものではありません。

まずは相手の懐に飛び込んで、ガードの隙間を突ける体制を作らなければなりません。

 

この「相手の懐に飛び込む」手段として必須といえるのが、「いい人アピール」なわけです。

もちろん「自分はいい人ですよ!」と直接的に宣伝しても意味があるわけではありませんが、折に触れて連絡をしてくれたり、困っていることを先回りして解決を与えてくれたり、頼まれごとを嫌な顔をせずに即決で引き受けたりしてくれる人はまず「いい人認定」を受けることになります。

こうしたちょっとしたことの積み重ねが自然と「いい人アピール」につながってきます。

「いい人アピール」というと嫌らしく聞こえるかも知れませんが、あからさまに何か目的を持っているものは別としても、いいことをされる側は当然ながら嫌な気分になるものではありません。

だから「いい人アピール」は、誰にとっても損なものではないわけです。

 

そうして「いい人認定」を受けた人だけが、買手に有効なパンチを打てるチャンスを得られるという構造になってきます。

パンチが入れば買手は商品やサービスを購入するのですが、「いい人アピール」がMAXまで達しているとすれば何を売っても買手は「あんたがそう言うなら買うよ!」という無敵状態に至ることだってあり得るわけです。

 

仕事を取るにはまずは「いい人アピール」。

 

文字にしてみるとこれ以上嫌らしい言い方はないのですが(汗)、日常的に売れる人がやっていることを抽象化するとすればこれしかないのではないでしょうか。