投稿日:2021年06月12日

【札幌 弁護士コラム】新人採用活動に思う(4):弁護士はサラリーマン化しているのか?

おはようございます、荒木でございます。

 

昨日は東京からの来客があり、私(荒木)のつながりがあるM&A、ベンチャーキャピタル関係者の方をご紹介して回っておりました。

考えてみれば、最近やっていることと言いえば、人に人を紹介するということばかり。

紹介の何がいいかというと、自分が手を動かさなくても紹介した人同士がありがたがってくれれば、自分が手を動かさなくても自動的に自分の株が上がるということ(笑)。

もちろん、本業の方では法的手続を行うことで価値提供しているわけなのですが、人の紹介で価値提供ができていると自然と有形無形の資産が増えていく感覚があります。

 

さて、採用活動の話を続けます。

この辺りから徐々に伝わっちゃいけない人に伝わっちゃいけない話になってくるので、決して他言なさいませぬよう(汗)。

 

採用活動を行っていて感じるのが、「弁護士がサラリーマン化している」ということです。

先に申し上げておきますと、サラリーマンの方の生き方が誤っているとか、自営業よりも劣っているとか、全くネガティブが意味で申し上げているわけではないということを前提にしています。

あくまでも働き方、生き方の違いがある、という意味で申し上げていますので、誤解の無いようお願いできればと存じます。

 

で、「弁護士がサラリーマン化している」というのはどういうことか、ということですが、概していえば「業務内容、業務の進め方、価値提供の方法を他者に任せてしまっている」ということです。

一般的にサラリーマンといえば、上司である課長や部長がおり、その上に取締役がおり、さらに社長や会長が上にいて、自ら会社の行く末や方向性についての意識はなく、日々、目の前の仕事に取組み、時折、人事異動で部署や勤務地が変えられる、といった業務形態が通常でしょう(もちろん例外はいくつもあると思いますが。)。

その意味では、会社全体の意思決定の歯車として動くのが通常であり、いちサラリーマンの一存でできることは限られています。

そうであるがゆえに、個として価値提供を行う主体たりえず、会社に身を委ねざるを得ない存在になってしまいます。

しかし、他面において、労働基準法を初めとする労働法に守られており、簡単に地位を失うようなことはなく、一定範囲であるとして安定した生活が保障されている立場であるといえます。

 

一方で弁護士がどのような仕事をしているか、ということですが、(あくまでも伝統的な弁護士像というと)個として案件と依頼者に対して直接的な責任を負う仕事であるということができます。

すなわち、「法律事務所」として価値提供を行うものではなく、「弁護士」として価値提供を行うものです。

端的にそれが現れるとすれば、訴状なり、準備書面なりに法律事務所の名前だけでなく「弁護士○○」という記載をしなければならないことから、個々の弁護士が責任を負っていることが明示されているわけです。

だからこそ、新人であろうと、経験がなかろうと、初めての案件であろうと、個々の案件には個人として責任を負わなければならない立場に立ちます。

 

そのような特性があるからこそ、その見返りとして新人であっても弁護士の報酬は高くなっている、というのが通説的な見解だろうと思います。

だからこそ、サラリーマンのように個人としての重い責任を負わず、責任のある弁護士の報酬を得ようというのは虫のいい話と言わざるを得ません。

 

時折、面談の際に「事務所は何時に帰れますか。」と訊かれることがあります。

もちろん法律的な議論としては、労働契約なのか業務委託契約なのか、契約における時間の合意があるのか、という部分があることは百も承知です。

ですが、個人として案件に責任をもつ気概があるのであれば、そのような質問が出てくるのは疑問に思えてなりません。

私(荒木)の頭が古いだけなのかも知れませし、コンプライアンス意識が欠如しているだけなのかも知れませんが(笑)、専門職としての道を歩まれている方にとっては共感いただける部分もあるのではなかろうかと思っています。

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