こんにちは、荒木でございます。
だいぶご無沙汰しておりました(汗)。
忘れ去られていないことを切に願いますが、充電期間として力を蓄えておりました。
近況ですが、にわかにM&A案件、投資案件が増加してきております。
ストックオプションとしての新株予約権発行、上場準備のための事業の適法性のリサーチ、ファンドの投資案件でのDDなど続々と案件が入って来ております。
一方で、家族信託分野ではつなぐ相続アドバイザーズと某金融機関との業務提携がまとまりつつあり、4月から稼働を始めると結構なことになりそうな予感がしています。
もちろん通常の訴訟、交渉業務もありますので、そろそろ弁護士の助っ人が欲しい状況になってきました(滝汗)。
そんなわけなのですが、「投資案件」とか「M&A」とか「IPO(新規株式上場)」といったものは、触ったことがない方にはさっぱりわからない世界だと思いますので、少しずつご説明してみたいと思います。
このようなことの背景にあるのは、会社法(商法)の根本的なルールです。
すなわち、「会社の価値は株式に化体される」ということと、「株式は払い戻しを自由に受けることができない」という2つのルールです。
最近は様々な業務形態が出てきてはいますが、世の中にある営利企業の大部分は株式会社であり、その企業は株主から出資を受けることによって資本を形成し、事業を営んでいます。
このため、会社の事業価値は株式に反映されることになり、株式を持っている株主が会社の事業価値を保有していることになります。
「それじゃ、株主は会社のお金を使い放題なの?」ということになりますが、そうはいきません。
株主がお金をもらうためには、(1)会社からの配当を受ける、(2)株を売って代金を受け取る、(3)会社を解散させて残余財産を受け取る、という方法しかありません。
(1)については、利益を出している会社であれば配当を行うことは可能ですが、上場会社ではない中小企業の大半は配当を行っていません。
ですので黙って株式を持っているだけではお金にはならないわけです。
また、(3)の方法は、事業がそれで終わってしまうため、よほどのことがない限りは採られることはありません。
従って、株主がお金を得ようと思うと(2)の株式の譲渡しか実際にはありません。
では、株式をすぐに買ってくれるか、という話になります。
上場会社であれば、株式が証券取引所において流通しているため、誰か見ず知らずの人に売るということは困難ではありません。
しかし、上場会社ではない会社だとそう簡単には売ることができません。
そこで、出てくるのが「M&A」とか「IPO(新規株式上場)」といった話です。
M&Aは幅の広い概念ではありますが、実際に行われているものとしては株式譲渡が多く、売主である株主(中小企業の場合、大抵はオーナー社長)が、買主の会社に株式を譲渡することにより、売主の会社が買主の会社の子会社になるというのが一番わかりやすいモデルです。
このとき、売主である株主は買主に株式を売っていますので、株式が現金化されることになります。
一方で、IPO(新規株式上場)は、それまで相対でしか取引できなかった株式を、上場することによって、証券取引所において流通させることとして、売却できる状況を作り出すことができます。
以上のように、投資案件というのは非上場企業にお金を出し(株式を買い)、その会社を成長させて事業価値を伸ばし、M&AかIPOできるまでに育てて売ることが基本路線になります。
もちろん、M&Aで買主がみつかるまでに事業を成長させることも、IPOできるまでに売上げを伸ばし、社内の体制を整えることも容易ではありません。
しかし、投資家としては、いくつかの会社の中から1つでもM&AやIPOによって売り抜けることができれば、莫大な利益が生じるため、投資案件が数多く出回っている、というのが投資業界の構造です。
次回以降もこのようなファイナンスのお話を続けたいと思います。
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