投稿日:2021年01月27日

【札幌 弁護士コラム】訴訟の結果になぜ不満を持つのか?

こんにちは、荒木でございます。

 

月末の追い込みもあり、少々立て込んでいてブログが空いてしまいました。

明日は、私(荒木)が社外監査役を務める土屋ホールディングスの定時株主総会です。

早いもので監査役も3年目に入ることになります。

 

さて、私(荒木)の紛争に対する考え方はこれまでもブログで散々書いてきた部分ではありますが、やはりなかなか外部には浸透しないものだと痛感しています。

要約していうならば、「訴訟は過去の振り返り作業」であり、「訴訟が始まってから結論を変えられるものではない」のであって、「だから紛争は予防しなければならない」ということをずっと言ってきました。

もちろん、「それは机上の空論だ」とか「現実はそうなっていない」とか「予防っていってもそんなにうまくいかないだろう」といったような批判はわかりますし、実際に言われることもあります。

しかし、いくら考えても、紛争が起きてからその結果をコントロールしようとするよりも、紛争が起きる前にリスクをコントロールするほうが楽なことは明白だと思います。

 

紛争が起きると何が生じるか、というと、対立する相手が生じます。

この時点で対立する相手が何を言ってくるか、何を請求してくるか、ということはコントロールできません。

それは相手が自分にとっては外部的な存在であるからです。

 

さらに、訴訟を起こされると何が生じるか、というと、裁判所がかかわってきます。

この時点で、相手に加えて、裁判所というコントロールできない存在が増えることになります。

要するに相手と裁判所という外部的な変数を2つ抱えることになります。

 

一方で、自分としては自分が正当であり、法的に是認されるべきと考えているわけですが、まず相手はそのように評価していないからこそ紛争がになっているのであり、裁判所は自分の利益を守る存在ではないので自分の思っている通りの評価をしてくれるとは限りません。

相手と裁判所を説得するためには証拠を提示するよりありませんが、「訴訟は過去の振り返り作業」なのであって、予めリスクを想定していなかったのであれば、都合よく証拠が揃うとは限りません。

こうして考えてみると、訴訟に至った段階では多くの変数を抱えていることがお判りいただけるのではないかと思います。

だからこそ、私(荒木)は、訴訟になってそんな変数をいっぺんに押し付けられてもコントロールできるわけがないと思いますし、「訴訟に強い弁護士」などと名乗るつもりはありませんし、よくそんなことが言える人がいるもんだと思っています。

 

じゃあどうすればいいか。

答えは1つしかありません。

「自分でコントロールできる範囲を広げる」しかないのです。

これこそが予防法務そのものです。

 

具体的に言うならば、他社と契約する際には、取引のリスクを評価してリスクをクリアできる契約を結ぶことや、法令を遵守しているかを常に評価し続けることや、リスクを取るときにはそれ相応の耐性を持っているかを考えておくような地道な作業です。

紛争への対応とは、そのような地道な作業なくして、いきなり訴訟に飛び込んで、「さぁ勝ってくれ!」と弁護士に頼んで何とかなるという話ではないはずです。

 

紛争処理の結果に不満を持ったことがあるというのであれば、このようなプロセスを鑑みて、不満の根本部分がどこにあるのか考え直してみてはいかがでしょうか。

 

————————————————————————————–

☆本ブログへの感想をお寄せください!

いつも本ブログをご覧いただきましてありがとうございます。

・ためになったこと、参考になったこと

・読んでみてやってみようと思ったこと

・行動を変えるヒントになったこと

・ひとに教えてみたいと思ったこと

などなど、読んで頂いて感じたことを筆者(荒木)宛に是非お寄せください。

 

<感想のお送り先>

・アンサーズ法律事務所のFBページのコメント欄

https://www.facebook.com/answerzlaw/

・アンサーズ法律事務所のTwitterのコメント欄

https://twitter.com/answerz_law

・アンサーズ法律事務所の公式ページのお問い合わせフォーム

https://feelist-srv.sakura.ne.jp/02_test_site/answerz_test/inquiry/

以上のいずれでも結構です。

皆様の声をお待ちしております!

————————————————————————————–