こんばんは、荒木でございます。
今日は大寒の滝を取らせて頂く(滝行に行く)予定でしたが、コロナの関係で中止となってしまいました。
大寒の滝というのは1年の中でも特別な意味があり、年に一度だけ神様にお願い事ができるという貴重な機会でした。
大変残念ではありますが、早く世の中が正常化することを祈るよりありません。
さて、弁護士業とビジネスの話を続けます。
以前にも書いたかと思いますが、私(荒木)は弁護士に支払う対価のことを「費用」と呼ぶのが嫌いです。
単に好き嫌いの問題ではないかとも思っていましたが、よくよく考えてみると結構深い話なのかも知れないと思えてきました。
「費用」というのは、「ある事をするのに必要な金銭。また、ある事のために金銭を使うこと。」又は「企業が収益を挙げるために費やした経済価値。」をいいます(デジタル大辞泉より引用)。
すなわち、この定義によると経済的価値の面から見ると「ある事or企業の収益」を得るために「費用」が必要止むを得ないという構図が見て取れます。
進んでいえば、費用はその効用である結果に対するマイナス効果を生じさせるものとして捉えられています。
これは、費用が、「仕方なく払うもの」というネガティブなイメージでしかとらえられていないことを意味しています。
一方で「報酬」というのは、「労務または物の使用の対価として給付される金銭・物品など。」をいいます(同じくデジタル大辞泉より引用)。
これだけ見ると費用と変わりなさそうですが、英語の語源を紐解いてみると、印象が変わってきます。
報酬を英語にすると「reward」。
「reward」の語源は、「古期フランス語 rewarder(報いる)→re-(後ろへ)+warder(じっと見る)→warduz(護衛)→wer-(注意する)が語源。「見返りを与えること」がこの単語のコアの語源。」(語源英和辞典より引用)。
これに対して「cost」の語源は、「「活動と一緒に(con-)負担が発生する(sto)こと」がこの単語のコアの語源。」(語源英和辞典より引用)。
こうして比較してみると、費用は必要止むを得ないものであるのに対し、報酬が労務などの内容を評価して支払われるものであるニュアンスが強いことが分かります。
この2つの違いは、サービスを提供する側に立つと大きなインセンティブの違いをもたらします。
単に費用だと思われてやっているのであれば、言われたことをいかに効率化して大過なくこなすか、歯科考えませんが、報酬を得られるとするのであればより大きな価値をもたらせばその分が金額として跳ね返ってくることを意味します。
弁護士業では、着手金を先に頂くことがありますが、これも費用とするのであれば単に手間賃ということになり、報酬とするのであれば価値提供のために動くインセンティブとなります。
「お金に色はない」とは言われますが、この違いは大きなものです。
そして依頼者の方が、費用と思って支払われる場合と、報酬と思って支払われる場合で違うことが弁護士にはわかりますし、そこでの気持ちの持ち方は実は大きく変わっているものです。
弁護士業とビジネス、という文脈でとらえた場合には、費用として金銭を受け取っている間は、弁護士は永遠にビジネスには乗らない職業に過ぎませんが、報酬として金銭を受け取れるようになればビジネスに乗せることができる可能性が芽生えます。
それというのも、費用であれば一定限度での頭打ちのラインがあるのに対し、報酬であれば労務の領域を超えた評価がなされうるからです。
とても微細な部分なのかも知れませんが、費用と報酬との考え方の違いは、職業とビジネスの捉え方そのものに直結する部分であり、非常に重要なことだと考えています。
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