投稿日:2021年01月13日

【札幌 弁護士コラム】「友達を失くすような」完璧な法務、目指してみませんか?

こんばんは、荒木でございます。

 

本業のほうは正月休みも終わり、全力稼働体制に入りました。

昨日も2件の新件を受任し、北海道M&A協会もセミナー企画、仲介の戦線拡大、それに加えて抜本的なテコ入れと本格的な動きが強まっています。

 

さて、私(荒木)の趣味の1つで将棋があります。

趣味というとまったりやっている雰囲気ですが、一応、高校時代には全国大会にも出場する程度にガチでやっておりました。

しばらく休んでいた、というか趣味としてやらない時期もありましたが、ここ数年は細々と研鑽を積んでいます。

 

将棋の戦法というか、そもそも論ですが、相手の玉(王様)を攻めるのが基本的な考え方であり、自分の玉が積まされるよりも先に、相手の玉を詰ませば勝ち、というのがルールです。

ですので、早く相手の玉に攻めかかるのが基本的な考え方になります。

 

一方で、「受け潰す」という勝ち方もあります。

戦争に例えていうならば、自分は城に籠城したままで、攻めかかってくる敵軍に徹底抗戦して、相手がこれ以上攻めたくない、というまで守備を固め続けるような先方です。

これも実は有力な戦法であり、一定程度有利な状況になれば、大差で勝てることもままあります。

私(荒木)もこのような戦い方(友達を失くす戦い方(笑))が嫌いではないのですが、そんな戦い方をしていて気づいた点があります。

 

「あ、これ、弁護士業と一緒だ。」

 

それというのも、弁護士業が企業に対して提供できる価値というのは、どうしてもディフェンシブなアドバイスしかありません。

リスクが敵だとするのであれば、将棋で自分の玉に襲い掛かってくるのはリスクと同視できます。

敵が一歩でも侵入してきたらたちどころに負けてしまいますが、一歩も踏み入れさせなければ勝手に勝ちになります。

そして、企業がリスクと闘うということは、1つのリスクにも侵入されてはいけないことを意味します。

リスクを1つでも侵入させれば負け、全部をふさげば勝ち、といったイメージです。

 

これを弁護士が担うとすれば、1つでもリスクとなる法務案件について負けてはなりませんし(ここでの負けの定義は多様ですが。)損失を発生させてはなりません。

というのも、1つの負けが全滅、すなわち、会社の存亡にかかわってくるからです。

だからこそ、受け将棋で勝ち切ろうとするがごとく、企業法務はヌケモレがないよう、全面的に気を張って対応していく必要があるわけです。

 

ただ、このように守りを固めるのが依頼者の方の評価につながるのか、というと難しいところです。

それというのも人間、「自己確証バイアス」という思考の癖があり、通常でいることが当たり前になっているからです。

空気は吸えて当たり前ですし、現代社会においては水も電気もガスも供給されていて当たり前なわけで、それらが途絶することに対するリスクを日々感じるわけではないのと同様に、法律問題も起こらないのが当たり前になっており、法律問題が起こらないことのありがたみを感じないというのが当然のことなわけです。

そうなってしまうと法務の守りの価値は感じられません。

 

しかし、実態はそうではないわけです。

取引の管理が完璧にできている会社はそうはありませんし、労務管理が万全に行われている会社も多いわけではありません。

常にどこかに穴がある状態での会社運営を行っているのが通常なわけです。

そうであるとすると一定確率で法務問題は生じますし、その段階では被害は広がってきているわけです。

 

本来であれば「友達を失くすような」受け切りの法務を目指す。

そんな考え方がもっと浸透してもいいと思っているのですが、どうでしょうか。

 

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