こんばんは、荒木でございます。
今日は朝からラン&ウォーク、webセミナーへの出席、午後は読書という充電の一日でした。
さて、今日は新しい話題をしようと思っていましたが、弁護士がなぜ儲からないか、もう少し思いついたことがあるので続けたいと思います。
(4)仕事の結果に確実性がない
弁護士の仕事といえば紛争処理(「解決」ではなく「処理」と言っているのは理由があるわけですが、それは別のブログで。)。
要は勝つか負けるかの世界で代理人として争うことがメインの仕事であると思われています(実際の案件数としてもそうです。)。
弁護士の報酬体系としては、着手金+成功報酬制を取っている場合が多く、例えば500万円の案件の場合、標準的には着手金が34万円、成功報酬は取得できた金額の10%+18万円として、全額取得できた場合には着手金の倍額にあたる68万円とされていることが多いと思われます。
そうすると、案件が成功するか否かによって大きく報酬が変わるという不安定性がどうしても消えません。
もちろん長期的視点で見れば期待値が導けるものと思われますが、事業計画に落とし込むとすると案件がいつ来るか読みづらい点と合わせて不確実要素となるものといえます。
このため、弁護士業は計画的に成長することが難しい、といえるのではないでしょうか。
(5)一点ものの仕事が多い
弁護士の仕事はなかなか定型的なものになりません。
確かに、交通事故、労働事件、離婚あたりだと発生する案件数も多く、分野としてはノウハウが確立している部分もあります。
しかし、どの案件においても個性的な問題があり、類似の案件が多くとも解決するためのカギとなるものがなかなかに共通してこないという特徴があります。
そのため、新人弁護士が業務ノウハウを得るための時間がかかるとともに、業務の集約化を図ることがなかなか難しいということが指摘できます。
また、個別案件の処理において、他の案件の処理をそのまま持ってくることができないため、どうしても1件1件について時間を要することになってしまいます。
(6)大規模化による効率化が図りにくい
一般企業と異なり、法律事務所や弁護士法人は弁護士でなければ経営できず、資本を受けることもできません。
グレーゾーンをかいくぐって実質的に資本注入を受けていた事例としてミネルヴァの例がありますが、まっとうな経営状態とはいえず、やはり問題化し、倒産してしまいました。
そんなわけで、法律事務所が資本によって大規模化するというのは難しい部分があります。
大手の法律事務所といっても、従来の形でいえば、個々の弁護士に客がつくという特徴があり、均質化、仕組み化された業務提供の形であったとはいえませんでした。
近年は、BtoCの事務所で大規模化を図っているところも出てきましたが、必ずしも一般的なものではく、今後の経過観察が必要な状況です。
そのようなわけで、資本を用いた大規模化が難しいことが弁護士が安定的に儲からない一因となっています。
そんなこんなで弁護士業というのはなかなか儲けるのが難しいということがお分かりいただけたでしょうか。
しかしながら、裏を返すとすればこのような限定要因を何らかの形でクリアすることができれば事業になり得るということも言えます。
その辺りに法律事務所経営の妙味があるということでしょう。
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