投稿日:2021年01月05日

【札幌 弁護士コラム】実例:「職業」と「ビジネス」の違いを荒木が受けたご相談に見る

こんばんは、荒木でございます。

 

今日まで当事務所は年末年始休業。

「何のんびりやってるの?」といわれてしまいそうですが、一応、お国の方針として1月4日仕事始めは避けましょうという指導に従っていたのですが、周囲はどうやら普通に4日から始業しているみたいですね(汗)。

どうもコロナ関連の行政指導のようなものはどれもあいまいな感じになっていて、何だかな、という感じです。

 

さて、先日も書きましたが、自らの「職業」と「ビジネス」の再定義というのは極めて重要であると気付かされました。

これって非常に抽象論のようにも思えますが、考えてみると具体的事例に簡単にはめ込むことができます。

 

新年早々、2件ほど顧問先様からのご相談がありましたので、それを例に取ってみましょう。

 

(1)介護系事業のお客様からのご相談(お客様=C)

C:新しく事業を買うことになったので、売主との間でどんな契約を結んだらいいのか見てほしいんです。

荒木:むむむ?買うことになったとおっしゃいますが、財産も持分も移転してないんですね。

C:そうなんです。

荒:じゃあこれって売った買ったの話にならないですよね。

C:じゃあ、譲渡契約でなくてもいいんですが、利益が上がったら当社に配分する形にしたいんです。

荒:それじゃコンサル契約とか、顧問契約とかでいいんじゃないんですかね。

C:それでいいですよ。

荒:そうすると、相手の代表者に○万円支払うことになってますが、これってなんの対価になるんですかね。

C:うーん…。

荒:そもそもこれってビジネス的にお金を支払わなければならない話なんですかね?

C:そうですね…。

荒:支払わなければならないかはもっと詰めたほうがいいですよね。

C:はい、検討してみます。

 

(2)農業系事業のお客様からのご相談

C:当社は別会社から特許と商標の使用許諾を受けて使用料を払ってるんですが、その相手から特許と商標を担保にして金銭を貸してほしいといわれたんです。担保を設定することは可能なのでしょうか。

荒:はい、可能です。但し、単に契約書を作るだけではなく質権の設定登録が必要になります。

C:使用料を支払い続けてるだけじゃ、自社のものにならないんですね?

荒:はい、なりません。ちなみに毎月どれくらい支払ってるんですか?

C:月々○万円くらいです。

荒:結構な高額ですね。特許や商標はそれほど使うものなんですか?

C:正直なところほとんど使ってないんです。

荒:それじゃ使用を止めてしまったらダメなんでしょうか。

C:それが、相手の会社と当社の代表者との関係性があって、温情のような形で支払ってるんです。今回の金銭を貸してほしいというのもその流れの話なんです。

荒:そうですか。そうすると質権が設定できるかどうかというのは単に技術的な問題でして、本当に考えなければならないのは、いつまで温情措置を続けるかではないんでしょうか。

C:そうですよね。まずそこを決めなければならないですね。

 

この2つの事例で共通するのは、最初は法律問題としての相談をされているのに、最終的にはビジネスの問題として検討してもらっているという点です。

私(荒木)の場合、「職業」と「ビジネス」の話でいえば、「職業」は法律家として法的なアドバイスをすることあるわけなので、職業的に回答するとすれば、法律の技術的な部分の回答を行うことにあるわけです。

しかし、2つの事例ではそれを行っていないわけです。

 

何を答えているかというと、依頼者の業務の目線に立った場合に、何が重要かという視点から指摘を加えているわけです。

これが「職業」から派生しているものかというとそうではなく、私(荒木)が培ってきた、企業経営に関わる知識、経験、ノウハウ等からの派生物としてのアドバイスなのです。

この知識、経験、ノウハウ等を1つの財産であると考えるのであれば、ビジネス上のアドバイスができ、それに対する報酬が発生しているわけですので、これが「ビジネス」といえるのではないでしょうか。

そこに法的な観点もないわけではないですが、重要なのは、法律に関する作業を行っていないのに報酬を得ているという点です。

これこそが本来的に私(荒木)の中に根付いた財産が生み出している価値に対する報酬であり、「ビジネス」であるといえます。

 

この「職業」と「ビジネス」の違いというのは、初見ではあまりピンと来ないかも知れません。

しかし、違いがあるという観点をもって物事を見ると、厳然とその違いがあることに気付かされるのではないでしょうか。

この違いを意識して仕事に取り組めるかどうかで、未来が大きく変わってくる可能性もあるといえます。

 

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