投稿日:2020年12月30日

【札幌 弁護士コラム】それって要らない知識なの?:ビジネスにおけるブリコラージュ的な発想とは

おはようございます、荒木でございます。

 

今日は読書に専念する一日にする予定です。

なかなかまとまった時間を取ることって難しいので、こういった年末年始というのは有効活用しなければなりません。

 

さて、以前このブログでも少し書きましたが、「ブリコラージュ」という概念があります。

 

「ブリコラージュ」<wikipediaより>

「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」こと。「器用仕事」とも訳される。元来はフランス語で、「繕う」「ごまかす」を意味するフランス語の動詞 “bricoler” に由来する。

 

この起源とされるのが、文化人類学者のレヴィ=ストロースが発見したとされる、世界各地で見られる原始的な文化の中で「すぐに使えるものではないが、何かに使えそうなもの」として物を寄せ集める習慣のことにあるとされています。

言い換えるとすれば、生活において必須とは考えられないが、何かのときに備えて備蓄しておくものであるといえます。

(そういえば、昔、「トリビアの泉」というテレビ番組がありましたが、そこでいう「トリビア」はこれと同じものですね。)

 

これを現代の仕事におけるアナロジーとしてとらえるとすれば、仕事でいつも使うようなスキルではないが、何かの時に役立つスキルがこれに当たります。

例えば、海外転勤に備えて勉強している英会話であったり、経理部門に異動になったときに役立つ簿記であったり、転職することになった時に有利に働く資格であったりが例といえます。

 

さらに進んでいえば、何も特別な事情が生じなくとも、普段の業務において生きるようなブリコラージュ的なものも存在します。

私(荒木)の弁護士業でいえば、不動産会社の方と話をするためのツールとなる不動産市況の知識であったり、飲食店業界の方と話をする際の近隣の飲食店情報であったり、銀行の方と話をするための会社の倒産情報であったり、こういったものは数限りありません。

これがブリコラージュ的と表現したのは、いずれについても弁護士業としてはコアになる部分ではなく、言ってしまえば弁護士業をやるのに必須の知識ではないからです。

 

しかし、一方で、上記の不動産会社や飲食店業界や銀行からすると、弁護士と話をするのに「そんなことも知らないのか…。」と思ってしまったとすれば、「この人に頼もう!」という話にはなりにくいわけです。

そして、このような傾向は情報流通が進むなかでより強まっているようにも思えます。

情報があふれているからこそ、簡単な情報も知らないことが言い訳にならない時代になっているといっていいでしょう。

 

そうであるとするならば、現代におけるビジネスの在り方として、中核的な価値となるコアコンピタンスの増強とブリコラージュ的発想による拡張性が必要であり、そのバランスの取り方こそが個々のビジネスの特徴となっていっていると考えられるのではないでしょうか。

 

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