おはようございます、荒木でございます。
このようなコロナの状況ですが、今日は久々の東京出張です。
N95よりも強力なマスクの着用、消毒剤の常備など感染対策ばっちりで行ってまいります。
さて、M&Aの話を続けます。
前回までは相手を探すためどうするか、という話をしてまいりました。
では、相手が見つかったら必ずディールが成立するか、というのは全く別の問題です。
もちろん、相手があることですので、金額が合わないという状況があります。
しかし、それ以前に、売主の問題によって進められない、ということも往々にしてあります。
まず、株式の問題。
オーナーが100%の株式を持っているような会社であれば問題は少ないのですが、基本的には株主が分散しているとそれらの株主全員の同意が必要になってきます。
もちろん、法律上は全員の同意がなくとも3分の2以上の同意があれば合併や事業譲渡は可能ですが、買主としては少数株主が残る状況は望ましくありません。
そのため、M&Aを実行するにしても残った株主をどのように取り扱うかについては検討を行っておかなければなりません。
それが株主の分散の問題です。
また、さらに厄介なことが株主の確定の問題です。
上記の問題は、株主が誰であるか、ということが明確になっているという前提ですが、実際には株主が確定できないということも往々にしてあります。
それというのも、上場会社とは違い、非上場会社では株主の記録は自社における株主名簿しかなく、この株主名簿をきちんと整備していない会社が極めて多いからです。
また、以前の商法(会社法)では、発起人の人数の下限を設けていた関係で、頭数を集めなければ株式会社を設立することができず、名前を貸していただけの名義株主も数多く存在するからです。
名義株主は現実に出資を行っておらず、株主として認められない人を指すのですが、名義株主として取り扱うのか、真の株主として取り扱うのかはケースバイケースにならざるを得ません。
さらに、設立から一定期間の経過した会社であれば、株主に相続が発生している場合があります。
ここで、会社定款において相続人から会社が株式を買い取る旨の規定を入れており、それを実行しているような会社であれば問題はないのですが、実際には相続手続を行っていなかったり、財産的価値がないものとして株式を相続手続の対象から外していたりするようなケースもあります。
このような場合には相続人間で遺産分割協議を行ってもらう必要が生じるなど、M&Aとは関係のないところで手続の煩雑さが生じてしまう場面もあります。
以上のように、株主の確定の問題は株式譲渡を行う場合に特に先鋭化しますが、そうでなくとも合併や事業譲渡の決議を行うような場面においても決議が可能か、という問題につながるものであり、非常に重要な問題です。
自社のM&Aを考えるのであれば、このような当然なされているべきである株式管理等の手続についてもう一度見直してみる必要があるのではないでしょうか。
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