投稿日:2020年11月14日

【札幌 弁護士コラム】地方M&A基本情報シリーズ②:売主はなぜ会社を売ろうと考えるの?

おはようございます、荒木でございます。

 

昨日は、朝からエコミックの役員会、午後はロータリークラブへの出席、セミナー参加という1日でした。

最近、改めてインプットとアウトプットのバランスを取ることは重要だと感じています。

 

さて、M&Aの話を続けます。

 

M&Aで売り案件が出てくることがディール成立のカギになることは前回お話しました。

今回は売り案件がどのような理由から出てくるのかお話してみたいと思います。

 

正式な分類があるわけではないですが、私の肌感覚としては、(1)エグジット戦略としての予定されたM&A(2)事業承継の代替手段としてのM&A(3)事業清算としてのM&Aの3つに大きく分けられるのではないかと思います。

 

(1)エグジット戦略としての予定されたM&Aとしては、いわゆるベンチャーキャピタルが入るような案件で、会社が小さい時から出資者を募り、一定の規模に到達したときにM&Aによって売却を行う案件です。

これというのも、非上場会社に対して出資を行い、株を持った場合、株主は配当は得られるとしても、株をそのまま現金化することはできません。
そのため、M&Aを行うことによって株を買主に対して売却し、現金を得るということが行われます。

ある意味でこのようなM&Aは、出資を行う段階からある程度は予定されていたものであり、このためエグジット戦略として位置付けられることになります。

 

(2)事業承継の代替手段としてのM&Aとしては、ある程度順調なオーナー企業があったとして、その後継者が見つからない場合に行われるものです。

すなわち、オーナー経営者に子供や親族がいない場合や、いたとしても不適任と判断されたような場合です。

血縁関係のない役員や従業員に引き継がれるケースもあり、これをM&Aというのかは微妙なところですが、株式を譲渡するスキームを含むのであればM&Aに近い要素を持つことになります。

M&Aに至る経緯はケースバイケースでしょうが、典型例としてはオーナー経営者がある程度の年齢に達して親族内承継を検討してみたものの、上手くいかないことが明確になったことからM&Aに切り替えるというケースが多いのではないでしょうか。

この場合、オーナー経営者の体調の問題が絡むようなことも多く、早期のクロージングが求められることもあります。

 

(3)事業清算としてのM&Aとしては、事業資源の枯渇、特に赤字の増大によって企業の継続が困難になったような場合が挙げられます。

企業において経営が立ち行かなくなった場合には、原則的に法的倒産(破産、民事再生又は会社更生)が必要となります。

しかし、このような法的手続を行うためには大きなコストがかかり、残っていた経営資源がうまく活用されない場合も多々あります。

このため、法的倒産やむなしとなる前に経営資源を保護するべくM&Aを行うケースがあります(一部、法的倒産の過程でM&Aを行う場合もあります。)。

このようなM&Aを行う場合には、手遅れになる前にディールを進める必要があります。

すなわち、赤字が膨らみ過ぎたような場合には買い手がつかなくなりますし、資金繰りに窮してしまったような場合にはM&Aを進めるための余力がなくなってしまっている場合も生じます。

事業清算としてのM&Aを行う場合には、M&Aに乗り出すタイミングが何よりも重要といえるでしょう。

 

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