おはようございます、荒木でございます。
ここ一週間立て込んでおり、だいぶ間が空いてしまいました(汗)。
顧問先のベンチャー企業への投資案件、同じく資材販売会社の訴訟案件など、大型の案件の対応が続きました。
一方で、製造業の会社さんの事業承継案件で来月から顧問契約をして頂くこととなりました。
他にもいろいろとあるわけですが、そんな感じでわたわたしております。
さて、「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」という言葉があります。
従来の意味としては、「熱い吸い物を飲んで熱かったので、冷たいはずの膾まで吹いて食べるようになった」ということが転じて「一回失敗してしまったために、必要以上に慎重になっている」ということの格言になっています。
どちらかというと慎重になりすぎることを揶揄するような意味で、ネガティブなニュアンスで使われることが通常です。
しかし、実際のケースで見てみた場合にはいかがでしょうか。
何度かこのブログでも書いていますが、私(荒木)が過去に扱った案件で、某運送業の会社に対して、労働者側の代理人として残業代請求をしたことがあります。
1人目のご相談者の代理人として請求したところ、ほぼ満足のいく金額で和解をすることができました。
その後、1年後くらいだったと思いますが、そのご相談者の方が同僚の方を連れて来られ、やはり残業代請求を行い、和解を得ることができました。
おそらく他の弁護士に依頼した従業員の方もいるのでしょうから、全体としては同様の事件はさらにたくさん起こっていたのではないでしょうか。
もちろん、相手方の会社ですので、私(荒木)が何かアドバイスをする立場にはありません。
しかし、1度残業代請求をされたのであれば、その後、就業規則の改定や労務管理の改善などは考えなかったのか、というのは疑問です。
そこでこの会社が「羹に懲りて膾を吹く」くらいの対応を行っていたとすれば、そこまで何度も請求されることもなかったのではないでしょうか。
このようなことは日常生活においても妥当することです。
やはり人間というのはなかなか反省しないもの、1度あったことは2度起こるものです。
私はいつも「2度あることは3度ある」をもじった「2度あることを3度起こさない」という格言をいつも胸にとどめており、何かまずいことが起こったとしたらシステムを変えるように心がけています。
しかし、それでも抜け漏れが生じるということがあるとすれば、汎用性のあるシステムが作れていないということになります。
そこで「羹に懲りて膾を吹く」くらいの気持ちで事に臨み、問題が起こった箇所を徹底的に潰すのはもちろん、類似の事例が起こらないか、時間の経過とともに状況が変わらないか、担当者が変わった場合にどうか、といったようなところまで思いを致す必要があるのではないかと考えた次第です。
「羹に懲りて膾を吹く」という格言を肯定的にとらえるとすれば、強固なシステムや意思決定基準が確立する。
そんなことも言えるのではないでしょうか。