こんにちは、荒木でございます。
今日は朝から、事務所で業務、午後に新規のご相談が1件、夜はwebセミナーでアフターコロナについて少々お話することになっています。
さて、労働事件の続きです。
今日は残業代請求のお話をしてみたいと思います。
何となく思いつきでQ&A方式にしてみました(笑)。
Q:なぜ残業代請求が行われるの?
A:会社が残業代を払っていないからです。
Q:なぜ会社は残業代を支払わないの?
A:(1)確信犯的に支払わない場合(≒ブラック企業)、(2)労務管理がしっかりしていないために残業代が勝手に発生している、(3)従業員からの言い掛かり、の3パターンがあります。
Q:なぜ確信犯的に支払わない会社があるの?
A:(1)金がないから払えないパターン、(2)社長が払わなくていいと信じ込んでいるパターン、の2つが代表的な理由です。
Q:労務管理がしっかりしていないってどういうこと?
A:(1)労働契約書、就業規則などを作っていないパターン、(2)それらを作っていても単なる雛型に過ぎないパターン、(3)一応考えて作ってあるけれど運用の実態と合ってないパターン、があります。
Q:どういうところが労務管理のポイントになるの?
A:(1)就業時間(始業時刻、休憩時間、就業時間の定めが曖昧なパターン、(2)固定残業代の定め方が甘く法律上の要件を満たさないパターン、(3)会社が残業代を認めないとしつつも残業に対する指導を行っていないパターン、(4)タイムカードを形式的に押させているがそれ以外に労働時間があるようなパターン、あたりが代表例です。
Q:従業員からの言い掛かりって?
A:それまで残業に関して何もトラブルがなかった従業員でも、別の理由で会社と揉めたりした場合には色々な材料を持ってきて残業代があると主張してくるケースがあります。この場合、労務管理が万全であれば突き返すことができますが、1つでもほころびがあると請求が通ってしまうことがあります。
Q:会社が残業代を支払っていないとどうなるの?
A:基本的にはその従業員に対して支払っていなかった分を支払わなければならなくなります。この時、従業員の退職後には14.6%の遅延損害金が乗りますし、訴訟を起こされた場合、付加金といって残業代の2倍を支払わなければならないケースもあるので注意が必要です。また、悪質性が認められた場合には刑事事件になる可能性もあります。
まとめとしてですが、会社がいくら気を付けていても残業代が発生する可能性というのはいくらでもあります。
例えていうなれば、「満タンに水が入ったたらいを持って運ぶようなもの」とでもいえばいいでしょうか。
それくらい慎重な対応がなければ予期せぬ残業代というものは発生しているものと思って頂いてほうがいいと思います。
予期せぬ残業代の発生を防ぐためには、(1)雇用開始時の体制整備、(2)雇用継続中の労務管理の運用のチェックと見直しが必要不可欠です。
いつも言っていることですが、残業代が発生してしまってからは何ともなりません。
ですので、(1)雇用開始時の体制整備、(2)雇用継続中の労務管理の運用のチェックと見直しにおいて弁護士の活用が必要、ということになるわけです。
どうでしょうか、雰囲気だけでも伝わりましたでしょうか?
次回は、(従業員の)地位確認事件についてお話したいと思います。
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