投稿日:2020年06月20日

【札幌 弁護士コラム】社外役員になって改めて考える:会社の仕組みってどうなってるの?

こんばんは、荒木でございます。

 

今日は朝からプロフィール作成のオンラインセミナーを受けていました。

何と朝の10時から夜の9時半まで、全11時間半(!)という長丁場のセミナーでした。

 

さて、M&Aの話を書いてきましたが、今回は社外役員業務について書いてみたいと思います。

この話も体系だった話ではなく、あくまでも私(荒木)個人の認識を書いているものとして、あまり厳密なものではないと受けて止めてお読みください(汗)。

 

私(荒木)は、昨年(平成31年)に、東証2部・札証に上場の株式会社土屋ホールディングスの社外監査役に就任しました。

また、今月26日に開催される株主総会で可決されましたら、JASDAQ・札証アンビシャスに上場の株式会社エコミックの社外取締役(監査等委員)に就任する予定です。

両者とも、多少の違いはありますが、基本的な任務としては、取締役会、代表取締役の業務執行を監督し、違法、不当な行為がないかをチェックすることにあります。

固い言い方をしましたが、要は社長のお目付け役的な立場ということです。

 

なぜ、監査役、監査等委員という役職があるかというと、日本の会社法の話になってくるわけなのですが、そもそものところ、株式会社とは株主の持ち物ということになっています。

代表取締役を含む取締役は、株主から会社を預かって、会社から委任を受けて会社の業務執行を行っている、というのが基本的な考え方です。

あまり会社法になじんでいらっしゃらない方にとっては、「あれ?会社って社長のものじゃないの?」という方もいらっしゃるかもしれません。

中小企業であれば、「100%株主=社長」というところも少なくないため、混同されることも多くありますが、あくまでも「株主→取締役を選任」、「取締役→代表取締役を選任」という仕組みがあることから、「会社は社長のものではなく株主のもの」ということになります。

 

では、「株主が(間接的に)社長を選んでいるのに、なぜ他に役員が必要か」という話になります。

この話になってくると思想的なものになってきますが、会社法の基本的な発想として、「権限を集中させると不正が起こる」という考え方があります。

これが「ガバナンス」と呼ばれる発想です。

社長が私利私欲を働こうとすれば、株主の利益を度外視して、自分に都合のいい取引ばかりをしてしまうかも知れません。

このため、社長を監視、監督して暴走を止めるために取締役会があり、監査役等の「機関」と呼ばれるものが必要とされているのです。

 

会社法上、いくつかの機関設計が認められていますが、土屋ホールディングスは監査役会設置会社となっており、エコミックは監査等委員会設置会社となっている関係で、同じように社長を見張る役割でも少し立ち位置が異なります。

この違いを説明し出すとかなりマニアックな話になってしまいますが、監査役会設置会社での監査役は取締役会の中では議決権がないのに対し、監査等委員会設置会社は取締役の中に監督機能を持つ監査等委員を配置する形態となっており、取締役会において議決権があります。

これによって何が変わるのかと突っ込まれると正直なところ大きな違いはないのですが、本当に意見が分かれるような案件が出てきた場合には議決権の有無で結論が変わることもあるでしょう。

また監査等委員会設置会社が最近は増加していますが、その理由として大きいのは人員として確保することが難しい社外役員の人数が少なくて済むということが挙げられます。

 

さらっと仕組みの説明をしましたが、随分と長くなってしまいました(汗)。

次回も社外役員の話を続けてみたいと思います。

 

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