投稿日:2020年06月16日

【札幌 弁護士コラム】「やっぱりやーめた」となる瞬間:M&Aが進まない理由とは

おはようございます、荒木でございます。

 

今日は午後からwebセミナーが1件、夜は東京からのお客様との会食の予定です。

裁判所のコロナ休業(?)も終わったので、これから書面作成など忙しくなりそうです。

 

さて、M&Aの話の続き。

 

これまでは「M&Aいいね!」的な話をしてきましたが、「そんなにいいなら何でもっと使われないの?」という疑問があるかもしれません。

そこで今回はM&Aが進まない原因をいくつか挙げてみたいと思います。

 

(1)社長の「何となく」

「え?いきなりコレ!?」と思われたかも知ません(汗)。

しかし、私(荒木)の感覚では、売主の社長の気持ちが前向きにならないことや、途中で気が変わることによってM&Aが進まないとうことは相当数に上るように思います。

もちろん、私(荒木)のようなに外部から口を出している人間にとっては、会社の本当の内情のことはわからない部分もありますし、社長の心の闇(?)のようなところもわかっていないのかも知れません。

しかし、外部の専門家にとっては、数字や一般論だけでは解決できない個性が各案件にあることを理解しておかなければなりません。

また、社長の気持ち一つで流れが変わるからこそ、まずは社長の真意(もっと言えば深層心理)を掴む必要があるといえます。

 

(2)社内の抵抗勢力

通常、特に売主側の案件では、社長や経理担当役員など、ごく一部の人が主体となって動き、それ以外の役員や従業員にはM&Aが動いていることを知らせないようにしています。

そして、最終契約書を結んだ段階で一斉に発表する、というパターンが通常かと思われます。

それというのも、「会社を売る」というと必ずといっていいほど抵抗勢力が出てくるからです。

売主側の役員であれば、新しい会社に移行したときにそのポストを奪われるかも知れませんし、従業員であればリストラの対象になってしまうかも知れません。

仮にそのようなポストの不安がないとしても、初めにM&Aの話を漏らしてしまうと、際限なく質問や要望事項が出て来てしまうため、M&Aの進行に支障をきたすことが想定されます。

しかし、最小限の役員にしか話さないとしても抵抗勢力が出てくる可能性もあります。

口ではM&Aに協力するとしながらも、DDの資料を出してこなかったりすることもあります。

このため、やはり売主の社長としては、最低限の地ならしをしてからM&Aに取り掛かる必要があるでしょう。

 

(3)金額の不一致

取引である以上、やむを得ないことではありますが、売主と買主とで譲渡金額の調整が付かず、ブレイクしてしまうこともあります。

もちろん、売主は売却希望価格を提示し、案件概要書等、買主もある程度の情報を元に基本合意に至っているとすれば、大枠では大きな金額の認識のギャップは生まれないようにも思われます。

しかし、事業価値に関する基本的な認識にずれがあったりすると金額の大小の感覚に影響を及ぼします。

また、金額の伝え方というのも大事になります。

自らが感じている価値感をそのまま、プラスチックワードとして相手に投げてしまうと、金額以上に相手の感情を損なってしまうこともあります。

金額の提示理由と、提示の仕方については十分に吟味するべきでしょう。

 

次回ももう少しM&A関係のお話を続けます。

 

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