こんにちは、荒木でございます。
今日は朝から、北海道M&A協会のミーティング、午後から新規案件の打合せ、スタッフとの1on1ミーティングを2件、夜にもwebミーティングが1件入っています。
さて、今回からM&Aの話をしていきたいと思います。
ここではあまり教科書的なことを書いても仕方ない(というより私(荒木)が教科書的なことをわかっていない(笑))ので、あくまで私(荒木)の知識と経験をベースに書いてみたいと思います。
厳密なことは別途お調べくださいませ(汗)。
まず、なぜM&Aというものがあるのか、というところから話を始めたいと思います。
「M&A」という言葉自体はかなり市民権を得たものと思っていますが、やはりイメージとしては「ハゲタカ」であったり、「金に物を言わせる」であったり、「弱い者の搾取」であったり、あまりイメージが良くありません。
「M&A」自体を日本語にすると「合併と買収」といった意味になるわけですが、そこにどうも買われる側の企業に対するセンチメンタリズムを感じている節があります。
とはいえ、現代の企業経営においてM&Aは無くてはならないものになっていることは否めません。
もちろん、類似する経済活動は昔からあったのでしょうが、体系化されたM&A自体の歴史は浅くここ数十年といったところがM&Aの歴史といっていいのではないでしょうか。
その中でも、大企業のM&Aが古くからあり、徐々に中小企業にも広がってきたというのが歴史的な流れといえます。
M&Aのメリットとして挙げられる効果はいくつかあります。
まず、事業体をまとめて買えるということが最大のメリットです。
料理に例えていえば、1から事業を組み立てるのは食材を買ってきて1から調理することに近く、商材を見つけてきて、事務所を借り、電話やインターネットを引き、什器備品を揃え、従業員を雇って初めて事業としての形が出来上がってくるものです。
一方でM&Aで事業を買ってくるということは、出来合いの弁当を買ってくることに近く、まるっと1食分が買えるかのように1つの事業が手に入ることになります。
このため、新規事業への参入や事業拡大の場面においてスピード感をもって進められる、というメリットがあります。
また、水平的統合(同業種の買収)であれば、自社がマーケットにおいて有するシェアを拡大できると同時に、ライバルが消えることによって市場の優位性を確立することができます。
これも、やはり商品開発や宣伝広告を地道にやるよりもスピード的に早い、ということに大きな魅力があります。
実際にドラッグストア業界などは全国シェアの高い企業同士の合併が相次いでいます。
さらに、独自の知的財産やノウハウを有している会社がある場合、他の会社はその知的財産やノウハウを使うことができませんが、M&Aによってその会社自体を買うことで知的財産やノウハウを利用することが可能になります。
特定の特許の利用などということになれば、M&Aによって買う以外に方法がなく、この点も極めて大きいメリットということになります。
近年では中小企業の後継者不足を背景として、事業承継に代わるM&Aも熱を帯びてきています。
すなわち、事業承継の場面では、従来、社長の子や親戚が会社を継ぐことが当たり前で、子や親戚が継がない場合には社内にいる従業員が継ぐことがスタンダードでした。
しかし、必ずしも、そのような形で承継する者が経営者として適任かというところに疑問を持たれることも少なくなく、さらに少子化の影響で候補者自体がいないというケースも多くなってきました。
そのような状況を背景として、会社を第三者に譲渡することによって事業の継続を図る意味でのM&Aも増加しています。
このようにM&Aは様々なメリットと役割を持っているものであり、今後の更なる活用が期待されています。
こんなM&Aですが、メリットばかりではなく、留意点も存在します。
次回はそのあたりのことをお話したいと思います。