おはようございます、荒木でございます。
本日は朝からスタッフとの1on1ミーティング、新規のご相談が2件です。
緊急事態明けから、新規のご相談、セミナー依頼が殺到しており、社会が動き始めた感じがします。
裁判所が動き出したらなかなか大変になってきそうです。
さて、契約書に書かれる条項の続きです。
⑤解約、解除に関する規定
期間の満了によらない契約の終了を定めた規定です。
「解約」と「解除」という用語は混同して使用されがちですが、「解約」は特に理由がなくとも将来に向かって(一定の月日が経ったら)契約を終了させられることを意味し、「解除」はどちらかに債務不履行などが合った場合に(遡って)契約がなかったことにすることを意味する、というのが基本的な理解です(その中間的な概念を定めている場合もあります。)。
解約の規定は、賃貸借契約などの継続的契約において定めることが求められます。
解除の規定は、相手方当事者が契約通りに行動しなかった場合の他、差押えや滞納処分を受けたり、破産などを開始したり、株主や会社の形態が変わった場合などに適用されるとするものが多く見受けられます。
⑥損害賠償、違約金に関する規定
契約の相手方に債務不履行があった場合に、金銭的な意味での責任を取らせて解決を図る条項です。
原則的には、債務不履行によって損害を受けた当事者が、実際に受けた損害の填補を求めるというのが基本的な損害賠償の原理です。
しかし、損害額が確定しにくいような場合(例えば、精神的損害を含むとき、損害額の立証が困難であるときなど)には、損害額の立証を必要とせず、「○○の場合、□□円を支払うものとする」といったような違約金の条項を設けることがあります。
⑦守秘義務規定
契約すること自体を第三者に対して明らかにしてはならないことや、契約によって知った相手方の秘密を第三者に公開してはならないことを定めた規定です。
「秘密情報」というと非常に漠然としており、この定義を定める必要がありますが、中には安易な規定をしており過不足なく定義がなされていないものもあります。
守秘義務条項として有効なものとするためには定義を吟味して規定することが必要です。
守秘義務の例外として、官公庁等から情報の提出を求められた場合、既知の情報であった場合、独自に情報を入手した場合、弁護士や公認会計士などのアドバイザーに意見を求める場合、等が既定されている場合があります。
また、契約が終了したとしても、守秘義務は継続するとする存続条項が設けられる場合もあります。
⑧反社条項
反社会的勢力ではないことを確認する条項をいいます。
反社会的勢力とは、暴力団やそれに準ずる者、それらとの一定の関係を有する者をいいます。
反社会的勢力の定義も多様ですが、年を追う毎にその範囲が拡大する傾向があるように思われます。
契約の当事者が反社会的勢力に当たらないことを確約し、事後的に反社会的勢力であることが判明した場合に、相手方が契約を解除することができるものと定められていることが多いといえます。
(続く)