こんにちは、荒木でございます。
今日も私用でした。
私(荒木)は取り立ててITに強いわけではないのですが(こなす程度です)、これからの時流を見据えて相談業務等を原則オンライン化しようと思い、対応を進めています。
さて、契約書の話の続きです。
昨日は、契約のどの段階から弁護士の対応を進めていけばよいか、というお話をしました。
今日はその周辺のお話をしようと思います。
弁護士をしていて契約に関わるパターンとして以下のようなものがあります。
①ビジネスの構想から関わる
②一定のビジネススキームができた段階から関わる
③具体的な契約内容が固まった段階から関わる
④③を前提として相手方から提示された段階から関わる
⑤押印が済んだ段階から関わる
①や②は昨日お話をしたような段階ですね。
③以降になってくると対応の方向性が変わってきます。
③の段階になってくると、わりと「こんな風に契約書を作ってくれ」ということが多くなってきます。
そうすると、あまり弁護士に裁量の余地はなくなり、言われたオーダーを実現する契約書を作成することが基本的な業務となってきます。
しかし、この中でも、法律的に見て無効になってしまう内容や、損をするリスクが大きい条項がある場合には一定の是正を要請する場合があります。
問題なのは、契約の相手方をいわばだまし討ちするような条項を求められた場合です。
これは悩みどころ。
言われるがままに契約書を作成するのが、依頼者との関係においては最も忠実なことなのでしょうが、相手方への誠実さや取引の円滑さからすると看過することはあまり望ましくないように思います。
私(荒木)の場合は、依頼者に対し「これって相手が飲んでくれますかね?」とか「ここまで厳しいことしなくてもいいんじゃないですかね?」といったような形でお話するケースが多いように思います(もちろんケースバイケースです。)。
④は相手方から契約書がが提示されている場合です。
相手方から契約書が提示されているということは、ある程度、会社の規模感の違いが大きく、依頼者よりも大きい相手方の会社から提示された契約書をチェックするという仕事になります。
この場合、依頼者側のリスクに気付いても、なかなか相手方に修正を求めることが難しいというケースも多々あります。
ほとんどは相手方のひな型に近いものですので、修正提案が通ることのほうが珍しいともいえます。
しかし、私(荒木)のスタンスは「たとえ通らなかったとしても、修正は求め続ける」というものです。
それというのも、交渉をするような態度を取らなければ、相手方の会社から「ここはちょろいところだ」と思われてしまいますし、言い続けた結果、「雨垂れ、石を穿つ」のごとく、何度も繰り返していれば契約条件を変更してもらえることもあります。
このようなことにより契約条件が少しでも良くなることは、少なくありません。
⑤のパターンもないではありません。
「契約したんだけど、何か問題がないかチェックして」と言われるような場合です。
残念ながら、契約書に押印してしまっている以上、中身は変えられないですよ、という結論をお示しせざるを得ません。
しかし、このままお引き取り頂いたのであれば何の意味もありません。
私(荒木)はこのようなときには、問題があったとしたらそこに至るまでの交渉の経緯(といっても、大抵は相手方から示されたものにそのまま印鑑を押してしまったというものですが)を訊いたり、問題が顕在化した場合の対処法をお教えしたり、次回以降、契約書の作成にあたって、どのようなことに気を付けたらいいか、などをご教示します。
こんなことの繰り返しによって少しでも北海道企業の契約書を取り巻く環境を良くしていければと考えている次第です。
明日も契約書の話を続けます。