こんにちは、荒木でございます。
今日は朝から恒例のお灸で体調管理です。
午後からは読書に励みます。
さて、今日はどうも触れちゃいけない感じが否めない、弁護士報酬の話です。
「触れちゃいけない」というのは、(一応、一律の報酬基準はなくなったのですが)弁護士会の規制があり、「儲け過ぎちゃいけない」という謎のルールがはびこっているからです。
その話は置くとしても、よく言われるのが「弁護士の費用は高い」という話です。
私(荒木)自身は、自分自身が設定している報酬基準が、何も高くないし、むしろ安すぎるくらいじゃないか、と思っています。
価格については色々なアプローチがあるわけですが、例えばコストのアプローチから考えてみましょう。
弁護士として実務に耐えうる程度の知識と技術を得るためにどれくらいのコストがかかっているか。
高卒生を基準としてみると、大学学部に4年間、法科大学院に2年間、司法試験合格までに半年、司法修習などで1年はかかるわけで、少なくとも合計で7年半の時間を要します(予備試験とか、飛び級とかの例外はないではないですが。)。
費用面でいえば、国立大学でも学部だけで約250万円、法科大学院で約200万円はかかります。
その上、当然ですが勉強しなければ合格できないわけで、その間の逸失利益も生じるのです。
そこまでやっても司法試験に合格できるという保証は何もないわけです。
こう考えてみると、弁護士になるのって莫大な投資をしてきたものだと思いませんか?
もちろん、お客様からしてみたら「そんなことは自分には関係ねーよ。」と思われるかも知れません。
しかし、これくらいの投資を行ってきたからこそ、法的なアドバイスに価値があるわけで、そこらへんのバイトが1時間働くことと、弁護士が1時間働くことの価値は、物理的な動きではなく、その前提の重みが全く違うわけです。
ではなぜ弁護士報酬が高く感じるのか。
理由の一番わかりやすい部分は目に見えるリターンがないからです。
例えば、賽銭箱に100円玉を入れたら、倍になって返ってくるような仕組みがあれば、誰でもポイポイと100円玉を投げ入れます(何かそんな歌があった気がします。)。
弁護士の業務はこれと真逆で、アドバイスや書面作成が直接的な利益になって返ってくるわけではありません。
もちろん、交通事故や過払金などはわかりやすくお金が返ってくるかも知れませんし、それも弁護士業務の範疇には入ってきますが、このような投資とリターンを求めるような業務がコアの業務だと思われているところがボタンの掛け違いの始まりなのです。
しかし、長期的な目線を持ち、リスクを回避したことの価値に目を向けるとどうでしょうか。
例として最近あったニュースで経営者が投資話(?)に乗って3200万円をだまし取られた、という話がありました。
<YAHOO!ニュース>
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f1328de112be418eb1de13fe43f3b10cdc316b0
3200万円と言えば、私(荒木)の最低顧問料約53年分に相当するわけですが、53年間の間に1度でも「社長!こんな話は詐欺ですよ!やめましょう!」といって、経営者を踏みとどまらせられたらそれだけでペイするわけです。
そう考えると年間60万円程度の顧問料など安い買い物だと思いませんか?
ただ、このようなリスクを回避したということは、後になって何も証明ができるものではないのが痛いところなのです。
このリスクを回避したようなことに対して、価値を感じて頂けるのであれば弁護士報酬なんて安いものですし、そうして活用の範囲を広げていけばより多くの価値を得られることになってきます。
…とまぁ、こういった話は分かって頂ける方とそうではない方とに真っ二つに分かれることも理解していますし、どうしても価値を感じられず、高い買い物だと思われるのでしたら無理は申しません。
しかし、価値を感じて頂き、安い買い物だと思われるのであれば、絶対に弁護士に適正な報酬を支払うことは損にはならないものだと信じています。