投稿日:2020年05月12日

【札幌 弁護士コラム】アフターデジタル:デジタル化時代において想像力を働かせるということ

おはようございます、荒木でございます。

 

今日は朝から北海道M&A協会の電話会議、午後に新規の電話相談を受ける予定です。

 

さて、最近、「アフターデジタル」という本を読んでいます。

 

<Amazon 「アフターデジタル」>

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まだ途中ですが、筆者が述べるのは、筆者が住んでいる中国ではデジタル化が進んでおり、近い将来、日本でも同じような世界に変わってくる、ということ。

これが書かれたのは去年ですが、コロナの影響によってデジタル化への動きが加速しているのは間違いありません。

コロナ後の世の中が落ち着いてきたら誰しもが実感するのでしょう。

 

私(荒木)自身はあまりデジタルな人間ではなく、必要に迫られてデジタル化への対応を色々と進めていますが、なんとかデジタル化についていっているというのが実感です。

そのような中で感じざるを得ないのが、「デジタルの世界では想像力がより試されるようになる」ということ。

 

web会議なども増えてきましたが、やはりリアルで会うのよりも情報は限られてきます。

リアルの会議であれば、会議の席に着くまでの相手の立ち居振る舞い、緊張の程度、手足の細かい動き、場合によってはにおいまでわかりますが、web会議となるとこれらの一切が捨象されてしまいます。

これらを「大した情報ではないのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんし、それがあっているかどうかという議論をする必要もないと思いますが、私自身はかなり重要な情報と捉えています。

 

このような情報がない中で話をしようとすれば、必然的に相手の状況や感情を想像するよりなくなってきます。

相手の状況や感情を想像したうえで、それに見合った話題を振り、それに見合ったような話し方を心がけなければならないわけです。

しかし、こちらから話すにしても、記号としての情報は伝わるのでしょうが、感情や身振り手振りなどといった情報はかなりの部分がまた捨象されてしまいます。

そうすると必然的に情報のやり取りはデジタル化していく一方となります。

 

そうするとコミュニケーションのやり方自体を変えていく必要が生じてきます。

すなわち、例えば、応酬話法を使って営業をしている営業マンがいるとした場合、リアルで話すのと、web上で話すのとでは伝わり方が全く違ってきます。

相手の意見を受けてそれに同意をするのに、リアルだと「そうですね!」と伝わるのが「ソウデスネ」としか伝わらない部分も必ず出てくるはずです。

そうすると、そもそもの組立て自体を変えていく必要にせまられます。

 

では、どのように変えていけばいいか、ということですが、ここで想像力が必要となります。

相手から伝わる感情の情報が少なくなるということであれば、それ以外の記号としての情報をこれまでよりも多く得て、それをもとに相手の感情を想像する仕組みが必要となってくるでしょう。

例えば、既にビッグデータを活用して、ECサイト上で購入すべき商品をリコメンドする機能を持っているサイトも多く存在します。

これというのも、その人の購入データや経済状況に関するデータをもとに、その人が買いたくなるであろう、という感情を想像する仕組みともいえます。

 

いずれにしても、どのような業種であれ、デジタルの情報から相手の状況や感情を読み取ることは不可欠な状況になってきます。

これまでのやり方を変える必要にいかに早く気付くか、今はその過渡期にあるといっていいのではないでしょうか。