投稿日:2020年04月29日

【札幌 弁護士コラム】訴訟において「六菖十菊」を意識すべきポイントとは

こんにちは、荒木でございます。

 

今日はお得意様向けのメール作成等、

引き続き内政に取り組んでいました。

今までもそこそこはデジタルに取り組んで

いましたが、本格的にデジタルシフトする

ということになると本当にやることが多い

と感じている今日この頃です。

 

さて、六菖十菊(りくしょうじゅうぎく)

という言葉があります。

これは、

「時期が遅れて、もう役に立たないこと。

端午の節句(五月五日)に一日遅れた

六日の菖蒲と、重陽の節句(九月九日)に

一日遅れた十日の菊の花という意。」

ということです(goo辞書より)。

 

このブログでも常に申しておりますが、

・訴訟は過去の振り返り作業である

・訴訟に至ってから過去は変えられない

・訴訟の結果はときに大きな痛手となる

といったような原則を踏まえると、

後になって訴訟の結論を変えようとする

ことはこの六菖十菊と同じように、

「時機に後れた対応」といったことに

なります。

適時のタイミングで、的確な判断が

なければ後でやっても用をなさない、

ということです。

 

では、一旦、取り返しのつかない状態に

なってしまったら、訴訟は無駄な行為

なのでしょうか。

必ずしもそうではない部分があると

すれば、「反省材料にする」という

ことが挙げられます。

起こってしまった訴訟を前提として、

「二度あることを三度起こさない」

という覚悟のもとに、社内の規程を

改める、契約を再度確認する、

ヒヤリハットを記録する体制を作る、

といったようにできることは

いくらでも出てくるはずです。

 

私(荒木)自身の経験として

こんなことがありました。

以前は私(荒木)も労働者側の代理人

として会社に対して残業代請求を

していた時期がありました。

その1つとしてとある運送会社に

対して残業代請求をしたことがあります。

そのとき、会社側の対応として、

代理人弁護士を付け、比較的誠実な

対応をされたため、そこそこの金額で

和解を結ぶことができました。

 

その約3か月後…。

私(荒木)が担当した依頼者が同僚の

方を連れてこられ、同じように残業代を

請求したいといいます。

私(荒木)は前件と同じように対応し、

同じように和解を結んで解決しました。

 

その約1年後…。

2番目の方に、その同僚を紹介され…。

もうおわかりですね。

 

訴訟を経験してもそれを次に活かす

仕組みの整備をしなければいくらでも

同じことが起こってくるわけです。

それも適時(又は即時)の対応を

しなければ問題の発生は待っては

くれません。

 

このように事後的な対応についても

六菖十菊とならないよう、

「すぐに事を行う」ということは

何よりも重要なことだといえます。

問題が起こった場合、このような

問題の捉え方、活かし方を意識する

ことで、根本的な改善が図られて

くるのではないでしょうか。