投稿日:2020年04月25日

【札幌 弁護士コラム】コロナ関連M&Aが進まない理由とは?

こんばんは、荒木でございます。

 

昨日はセミナー仲間とのオンライン飲み会

でした。

これが2回目ですが、回線の調子が悪く、

改善が必要に思われました。

5Gの時代になりつつありますが、

インフラとしての通信の重要性は

増すばかりです。

飲み会自体は久々にお話する方も多く、

また、アフターコロナに対する

多角的な意見も多数寄せられ、

大変に有意義な時間となりました。

 

さて、先日北海道新聞さんの

電話取材を受けました。

題材は北海道におけるM&Aの現状に

ついて。

本来的には「コロナの影響で

売り手が増えてます!」と、

言いたいところなのですが、

実際にはあまりご相談が

増えておりません…。

 

M&Aがそれほど進んでいない

理由を私なりに分析してみました。

 

(1)M&A文化がない

根本的な部分として、いまだに

「M&Aは大手企業がやるもの」とか、

「M&Aはハゲタカが買いに来るもの」とか、

「M&Aをやるのは負けを認めること」とか、

そういったイメージを持たれることが

多々あります。

まずはM&Aを身近なものとしてとらえて

頂くことが必要でしょう。

 

(2)潰さないための政策が強い

現状の政策では経営状態の厳しい

企業に補助を出すことで極力倒産を

避けることが意図されています。

もちろん、倒産するということは

その役員や従業員の生活を狂わせる

ことになりますので、避けられるに

越したことはありません。

しかし、経営難の会社を何とか

生き延びさせる延命措置だけを

続けるのには限界があります。

資金余力のある企業へのM&Aを

推進することも政策的になされる

必要があるのではないでしょうか。

 

(3)買い側も様子見状態

売り手だけでなく、買い側も慎重な姿勢を

取っているということも一因に

なっているものと思われます。

今回のコロナの影響は単純に飲食業や

観光業だけでなく、様々な業種、業態に

波及を続けており、その影響がどこまで

広がるのか未知数の部分があります。

そのような状況に至ったとき、経営者

として安定的な資産を確保しておくのが

一つの定石であるといえます。

このため、明らかに事業価値よりも価格の

低い会社が出てきたとしても、

安易には手を出せない、といった

経営判断がなされている部分も

大きいものと思われます。

 

(4)準備期間がなかった

今回のコロナの影響が大きかった業界では

あっという間に売上げが7割減、8割減と

いったような状況に至ったところが

少なくありません。

これではM&Aの準備をする暇も何もなく

瞬殺で資金繰りに窮することになって

しまってもおかしくありません。

いきなり資金繰りが苦しくなった場合には

まずは融資を求めることになります。

今回は、融資の申請をするにしても

長蛇の列、といったことになり、

倒産や閉業までの余裕時間を作ることも

できなかった、と見ることもできます。

そのような時間のなさもM&Aに至らない

原因になったのではないでしょうか。

 

ということで、何らのデータも見ていない

単なる所感ですので、正確性には

目を瞑って頂ければと思います。

ただ、上記のようなものが当たっている

とすれば、これからはコロナ関連のM&A

も徐々に進むはずです。

 

売る側であったとしても、買う側で

あったとしても、早めの動きが重要な

局面を迎えているのではないでしょうか。