こんにちは、荒木でございます。
本日は月末ということで連投です。笑
このコラムは、アンサーズ法律事務所の
「コラム/法律・判例情報」という
コーナーにあるにもかかわらず、ほぼ
法律の話が出てこないという
ミラクルな内容(笑)になっています。
そんな中ですが、明日、いよいよ民法の
大改正が施行されます。
一応、法律家として多少のポイント
くらいは語っておこうと思います。
4月ということで新入社員を入社させる
会社さんも多いものと思います。
その中で「身元保証」を取っている
ところも多いのではないでしょうか。
しかし、4月1日以降、漫然とやって
いると、身元保証が無効になって
しまうかもしれないのです。
これは会社にとってはなかなかに
大変なことです!
そもそも身元保証契約というのは、
従業員として会社に入った人の行った
ことにより、会社に損害を与えた
ようなとき、その人に代わって
親や親戚などが損害を賠償するという
会社との約束のことです。
これは解釈論も含まれる話ですが、
身元保証契約というものには、
従業員の会社に対する損害賠償義務を
保証するという部分があります
(この他に損害担保契約という別の
意味合いを含むという解釈が
有力です。)。
そして、身元保証は通常、
従業員が会社に入社するのと同時に
締結されることになりますが、
従来から、保証する期間の制限があり、
保証の範囲が過大になる場合には
裁判所の判断によって減額される
場合があるとされていました。
一方、身元保証契約をする場合に、
従来は金額の限度を定める必要は
ありませんでした。
それというのも、身元保証の性質上、
将来に起こることについ保証する
ものであり、その賠償額がいくらに
なるかは不明であるからです。
しかし、今回の民法改正の議論に
おいては、保証人の負担を減少させる
べく、責任範囲を限定する動きが
なされました。
その一つが「個人根保証契約」という
ものの改正であり、要するに金額が
不特定の債務について保証をする
場合にはその極度額(限度額)を
定めておかなければ無効になる、
というものです。
このルールが身元保証にも
適用されるかどうか、ということが
立法過程で議論になりました。
今回の民法改正では身元保証法の
改正までは言及されませんでしたが、
一般的な身元保証については
個人根保証契約としての扱いが
なされることとするのが有力な
解釈となりました。
このため、4月1日以降の
身元保証契約書(身元保証書)には
「極度額」という項目を設け、
身元保証人がいくらの範囲までを
保証するかを明示しなければ
ならなくなります。
身元保証を取っている会社の方は、
すぐに雛型を修正するよう
ご対応下さい。
もしわからなければお気軽に
当事務所までご一報を。