投稿日:2020年03月15日

【札幌 弁護士コラム】要件を定めて、行動を自動化しよう

こんばんは、荒木でございます。

 

今日は、朝からサービス利用規約と

格闘など業務処理、午後からは

家族サービスと比較的まったりの

一日でした。

 

さて、新型コロナウィルス禍により

相変わらず北海道は緊急事態の

自粛要請中ですが、ついに

新型インフルエンザ等対策特別措置法

改正によって法律的に緊急事態宣言が

出せることとなりました。

その要件があいまいではないかとの

批判もあるようですが、それもそのはず、

要件が明確になっているような事案で

あれば、その要件を明示するのが

法律の基本的な考え方であって、

要件が不明であるからこそ、内閣

総理大臣の裁量を認めているわけです。

 

このブログでは特に政治的な意見を

述べるつもりはないのですが、世の中には

要件と効果が整理されていないこと

というものは山のように存在します。

就職しかり、恋愛しかり、子供の教育

しかり、昇進や昇給もしかり、老後の

施設への入所についてもしかりです。

これらは一般的に何らかの明確な要件が

定められているものではないことが

通常であり、誰かしらの裁量で、

その場の判断で決せられていることが

大半であると考えられます。

 

それが、こと法律問題となると、

法律の条文と判例解釈で作られた

「要件事実」という世界にいきなり

放り込まれてしまい、裁量の余地が

突然狭まってしまいます。

これを見るにつけて、法律の世界が

狭すぎると見るか、一般の世界が

自由過ぎると見るか、両方の見方が

可能であると思います。

 

どちらが正しい世界であるかは置くと

しても、日常の世界においても

要件(条件)を明確に定めておくことは

意思決定のコストを削減することに

つながり、生活の質を上げる要因に

なるかも知れません。

すなわち、

クリーニングは毎週土曜日に出す、

トイレットペーパーは残り3個に

なったら買いに行く、

2週間に1回は布団を干す、

といったようなことが決まって

いれば、無駄な判断が要らなくなり

ますし、確実に生活の質は上がってくる

はずです。

というよりも、生活の質が上がるような

要件を定めて、それを実行することが

できるようになります。

 

もちろん、仕事にも応用ができるわけで、

明確なルールを定めておけばいちいち

判断が必要なことも減ってきます。

例えば、メールの件名の付け方や、

ファイルのタイトル、電話の応対の

ルール等、小さなことの積み重ね

でも構いません。

それらにより、認知能力の残余が徐々に

増加され、いざ重大な判断をしなければ

ならない場面において余力が残る

ことになります。

 

要件を定めることによって意思決定の

数を減らし、意思決定の安定感を作る。

 

このことは、一見単純なことに見えて、

次のステップを作るために重要な

ことなのではないでしょうか。