投稿日:2020年03月13日

【札幌 弁護士コラム】ビジネスのコンセプトの視点:「宝塚歌劇団的ビジネス」と「劇団四季的ビジネス」との違いとは

こんばんは、荒木でございます。

 

今日は朝から、社外監査役を務める

土屋ホールディングスの取締役会と

監査役会、午前中に案件の追加依頼の

ご相談、午後からM&A案件の

打合せ、夕方には新規のご相談、

さらには来週のコンサル(受ける方)の

準備となかなかに立て込んだ1日

でした。

 

さて、ビジネスモデルのコンセプト

というものはビジネスの根本となる

ものですが、意外と軽視されがちな

ものです。

今日の打合せで出てきた話ですが、

ビジネスを構想するにあたって

「個々の力に頼るビジネス」と

「個性のないビジネス」とに分けて

考えるべき場合があります。

例えば、プロのスポーツ選手などは

その能力など個性によるビジネスで

あるのに対し、工場のアルバイト

などは個性がほぼないビジネス

(仕事)であるといえます。

もちろん、この中間領域として、

美容師を指名することや、

弁護士を慎重に選ぶことがある

ように、一定の成果を出して

くれれば足りると考える人も

いれば、特定の人に依頼したい、

といったようなビジネスも

存在します。

 

これを例えでいうなれば、

「宝塚歌劇団的ビジネス」と

「劇団四季的ビジネス」と

言ってもよいのではないでしょうか。

すなわち、宝塚の場合には「スター」と

いって特定の女優をフィーチャーする

ことによって人気を集めるのに対し、

劇団四季の場合は特定の俳優を推す

どころか、俳優の個性を消すことに

精力をつぎ込んでいるという違いが

あります。

その証左として、元タカラジェンヌの

有名人は誰しも何人かは名前が浮かぶで

しょうが、元劇団四季という有名人の

名前が1人でも浮かぶ人は珍しい

でしょう。

 

これはどちらがいいか、という問題

ではなく、そもそものコンセプトが

違う、ということに着目しなければ

なりません。

すなわち、特定の人に依存する

ビジネスは、その人が一躍人気を

博した場合にはリターンが大きい反面、

その人が不振に陥ったり、

不祥事を起こしたり、健康を害した

場合に重大なリスクが顕在化することに

なります。

一方で個性によらないビジネスは、逆に、

平準化された成果が出るものの、

ひとりの能力が高くとも必ずしも

全体としてとびぬけた成果は出ない

という面があります。

 

ビジネスのコンセプトを構想するに

あたっては、

「宝塚歌劇団的ビジネス」と

「劇団四季的ビジネス」との

違いを考えてみる。

 

この対立軸は意識してみてもいいの

ではないでしょうか。