投稿日:2020年03月04日

【札幌 弁護士コラム】家族信託とは「思想」である

こんにちは、荒木でございます。

 

今日は朝から家族信託の新規ご相談、

昼はつなぐ相続アドバイザーズの

打合せ、午後からはドラフト作業など。

夜は顧問先様と、その経営者の方を

ご紹介頂いた社労士の先生と会食です。

コロナには負けませんよ!

 

さて、今日は家族信託絡みの話の

連続でしたので久々に家族信託の

お話でも。

 

つなぐ相続アドバイザーズも設立以降、

5年を過ぎ、ある意味では成熟して

きています。

5年間、ほぼ毎週、メンバーで議論を

しながら案件を進めている関係で

税理士、司法書士、弁護士の

それぞれの業務範囲についてまで

それぞれのメンバーが理解できる

までになってきています。

 

この段階まで行きつくとなると、

ある程度は目を瞑っていても

(あくまで比ゆ的な表現です。汗)、

どのように相続対策を進めれば

よいのか回答ができるように

なるものです。

 

そうなってくると、いかに

お客様にフィットする仕組みを

ご提供できるか、ということに

なってくるのですが、

この部分はある意味において

「思想」

が絡んでくる部分であるように

思われます。

 

それというのも、実は、

相続対策すること自体がいいのか、

相続対策をして遺産を公平に

分配するのがいいのか、

本人がどの程度満足するのが

いいのか、

家族がどの程度納得すればいいのか、

相続税を払わないことがいいのか、

といったような部分というのは

専門家が考えるべきことではなく、

ご本人やご家族が考えるべきこと

だからです。

とはいえ、ご相談に来られた方に

対して白紙でご意見を求めても、

具体的に案が出てくること

ばかりではなく、専門家が

提案をしていかなければならない

部分もあります。

 

以前にも書いたかもしれませんが、

医療の業界では、

(1)パターナリズムモデル

(2)解釈モデル

(3)審議モデル

(4)情報提供モデル

といったように、医師と患者の関係を

いかなる観点で取り決めるかの

議論があります。

すなわち上記のモデルでいうと、

上のほうが医師の意見が強く、

下のほうが患者の医師決定が

重視されるモデルになります。

 

家族信託についても同様で、

専門家が情報だけを集めてきて、

「こうするのがいい」というように

決めるやり方もあれば、

ご本人やご家族の意見を聞いて、

「こうする方法がある」と方法だけ

提案するやり方もあります。

その中間的な領域も無数に存在する

のであり、どれが正解かは一義的に

決まるものではありません。

だからこそ「思想」にならざるを

得ないのです。

 

そして、その「思想」こそが

ご相談にいらっしゃる方にすれば

合う、合わない、といった

判断要素につながってきます。

つなぐ相続アドバイザーズでは、

「円満な相続」

を掲げていますので、

ご相談者の方のご希望をよく聞き、

人(家族)を出し抜こうとする信託、

平穏を乱すような信託、

明らかに不公平な信託、

といったようなものについては

お受けしないか、そうしたい理由を

きちんと聞き出すようにしています。

 

このような「思想」というのは

根本的な部分で極めて重要であり、

方向性に迷った場合の指針と

なるものです。

 

これからも活動を続けていくに

あたってはこの「思想」を

重要視して取り組んで参りたい

と考えている所存です。

 

<㈱つなぐ相続アドバイザーズHP>

https://tsunagu-s.jp/