投稿日:2020年03月03日

【札幌 弁護士コラム】矛盾ばかりの事実にいかに向き合うか

こんばんは、荒木でございます。

 

今日は、昼から家族信託のご相談、

お付き合いのある会社様との意見交換と

比較的に予定の少ない1日の予定

でしたが、朝から緊急対応案件が

入り、1日中、気の抜けない日に

なりました。

 

さて、昨今の新型コロナウィルス対策

を見ていて思うのですが、

「矛盾に対してどう向き合うか」

という視点というのは非常に重要で

はないかと思います。

 

すなわち、今回の件で分かりやすい

構図というのは、「感染拡大を防止する」

という方向性と、

「経済への影響を防止する」

といった二項対立の構図です。

これに対してどちらかに偏った

答えを見つけるのは極めて簡単です。

(それが安易な「緊急事態宣言」で

あるといえます。)

 

しかし、安易な答えに飛びついて、

その答えが客観的に妥当な答え

となる確率は必ずしも高くない

ように思えます。

もちろん、ここでの話は、時間を

掛ければいい答えが出るというもの

ではなく、直感に頼ったとしても

矛盾を受け止めた上での答えと

矛盾を無視した上での答えとで

深みが異なるという話です。

 

矛盾の際たるものといえば

私(荒木)が本業としている

訴訟です。

本来的には同じものを見ている

事実を、原告、被告の両面から

みるとまるで景色が異なります。

これを一面からしか見られないのと、

両面から見た見方ができるのとでは、

弁護士としても能力が異なると

いえます。

 

逆に片面しか見られず、矛盾に

向き合わないということは、

物事の一面を捨象している、

ということになり、事実を

切り捨てている、ということに

なってしまいます。

これでは深みのある答えは

出てこないでしょうし、物事の

本質的な解決は困難に

なってしまうことでしょう。

 

矛盾に真正面から向き合ってこそ、

次の一手は生まれる。

 

そうして物事に向き合う姿勢が

考え方を定める上で

重要な意味を持つのではないでしょうか。