投稿日:2020年01月23日

【札幌 弁護士コラム】弁護士が訴訟においてできるのは通訳だけであるという現実

おはようございます、荒木でございます。

昨日は、福岡地方裁判所で仕事、その後

後輩の弁護士との会食など。

これから飛行機で札幌に戻ります。

 

さて、昨日の事件は、私のクライアントが

他の会社から金銭の請求をされている

事件でしたが、昨日は証人尋問を行った後、

こちらが一定の金銭を支払うことで和解が

成立しました。

クライアントからすると相手方の会社には、

様々な不信感を持たれていたのですが、

法律的に見ると立証ができなかったり、

法律論としては難しい部分があったりと、

なかなかに進め方を考えるのに

苦労がありました。

 

そこで改めて思ったのが、

 

「訴訟において弁護士はいかなる

役割を持っているのか」

 

ということです。

 

よく言われることですが、

 

「訴訟に強い弁護士に頼めば勝てる」

 

と考えられている節もありますが、

本来的に訴訟が過去の振り返り作業で

ある以上、原理的にこのようなことは

あり得ません。

過去を塗り替えることができる人が

いるならば見てみたいものです。

 

では、弁護士が何をするかというと、

裁判所や相手方の使う法律の言語と

一般の言語との通訳をすることに

尽きるのではないかと思います。

すなわち、一般の言語として

「ずるい」「不満だ」「納得いかない」

といったようなことを法律的に

「違法だ」「契約違反だ」

「信義則にもとる」といったように、

言語を返還して提示することが

弁護士の役割になります。

 

もちろん、クライアントが気付いて

いないようなポイントがあればそれを

補完することもありますが、

本来的に訴訟で言いたいことは

クライアントの中にありますので、

それを引き出すことでほとんどの

場合は立派な主張になるものです。

 

これを裏返して言うと、弁護士に

通訳以上の仕事を任せようというのは

過大な期待であり、過去に自らが

行ってきたことを省みていない、

ということになります。

仮に結果を変えたいとするのであれば、

事が起こる前から事に備えておく

必要があるのであり、だからこそ

弁護士の普段使いが重要になってくる

のです。

 

そんなわけで、企業であれば当然に

普段から法律的なアドバイスを受けておく

必要があることを繰り返しお伝え

させて頂いている次第です。

 

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