実家への帰省から札幌に戻って参りました。
事務所の再開は6日ですが、私(荒木)は
明日からフルスロットルで業務再開です。
さて、年末のビッグニュースといえば、
カルロス・ゴーンの失踪です。
裁判所の保釈条件が甘かったとか、
レバノンの国家ぐるみの謀略だとか、
音楽隊の箱ってなんだよとか、
様々な意見があるようです。
しかし、私が一番関心を持ったのは、
「法律」というものの枠組みの話です。
今回の逃走劇は、日本の刑事訴訟法上は
完全にアウトですし、入管法上もおそらく
アウトなのでしょう。
その意味においてゴーンの行動は、
決して褒められるはずのないことです。
ただ、ここでの問題は、
「ゴーンは日本の法律に照らすと悪いことを
している。」
というのは、意味をなさない議論である、
ということです。
すなわち、ゴーンが主張しているのは
「日本の人質司法は間違っており、
冤罪の温床である。」
ということなのであり、日本の法律の
妥当性自体が議論になっているということです。
そうすると議論の場面は裁判所にあるのでは
なくなり、法律の妥当性を誰が国際的に
証明できるのか、という議論になります。
これがある意味では日本の国家としての
最大の弱みではないかと思うのです。
森友・加計問題や桜を見る会問題などで、
よく「説明責任」という言葉が出てきましたが、
そもそも誰に何の説明責任があるのか、
ということはアドホックに議論されていたと
しても、体系的に議論されることがなかったのが
日本の伝統であるわけです。
その問題がこのゴーン失踪事件では早晩、
問われることになると見ています。
起訴されるまでの逮捕勾留期間が長い問題、
いわゆる人質司法問題については、常に
問題視されていたものであり、刑事訴訟法学者
からは改正論が唱えられてきた歴史があります。
その意味では今回はいい機会にはなろうかと
思われます。
しかし、その一方で問題になるのが、
刑事訴訟法を改正するにしてもそれが
国際世論に迎合された形でなされるとしたら、
それはどうなのか、ということです。
今回の事件については日本の法制度が
槍玉に挙げられるのは間違いありません。
それに対して誰も説明責任を尽くせない
ようであれば、法改正やむなし、という
ことになるかもしれません。
そうなった場合、日本は説明もできないし、
外圧に負けて法律を変えた、という汚点しか
残らないことになります。
今回の事件については、
ゴーンの悪行許すまじ、といったミクロな
議論ではなく、すでに国際問題に発展して
いるということに目を向けなければ
ならないのではないでしょうか。
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