昨日は、札幌市内の某老舗企業の社長さん
との会食でした。
なかなかに競争の厳しい業界であり、
今後の事業の方向性について色々と
お話を下さいました。
私(荒木)が進めているM&A事業に
ついてもお話ししました。
M&Aの基本的な流れ、中小企業に
おいてもM&Aの機会が増えている
こと、事業価値が棄損されてしまう
前にM&Aを進めることが有益で
あること、等をご説明しました。
しかし、この社長さんが仰るには事は
それほど単純ではないということ。
それには「事業」ではなく「家業」
としての性質があること、地域の
顧客を見限って売り抜けることは
できないということを仰いました。
確かに、M&Aは事によってはドライで
金銭的なやりとりに終始してしまう
節があります。
そうなってしまう背景にはM&Aの
アドバイザリーのスタンスが問題に
なってくる部分が大きいように
思われます。
業務の性質上、なるべく高い価格で
売り抜けることがM&Aアドバイザリー
の主たる仕事であることは否めませんが、
その中でも会社の元々の事業目的や
会社の歴史、社会における位置づけを
考慮する必要があるのではないかと
気付かされました。
ややもすると専門家の悪い癖で、
専門領域の話に終始してしまい、
依頼者である企業の意向や本質的に
望んでいることに思いを致して
いないことがあります。
M&Aというと、売主側の会社に
とっては会社の歴史を閉じる意味合いをも
持つものであり、単純に割り切れる
ものではありません。
M&Aに携わる人間としてこのことは
意識し続けなければならないことと
改めて思いを持ちました。
言い換えるとすれば
「体温の伝わるM&A」
を実現しなければならないのかも知れません。