投稿日:2019年11月27日

【札幌 弁護士コラム】「体温の伝わるM&A」を実現するために

昨日は、札幌市内の某老舗企業の社長さん

との会食でした。

なかなかに競争の厳しい業界であり、

今後の事業の方向性について色々と

お話を下さいました。

 

私(荒木)が進めているM&A事業に

ついてもお話ししました。

M&Aの基本的な流れ、中小企業に

おいてもM&Aの機会が増えている

こと、事業価値が棄損されてしまう

前にM&Aを進めることが有益で

あること、等をご説明しました。

 

しかし、この社長さんが仰るには事は

それほど単純ではないということ。

それには「事業」ではなく「家業」

としての性質があること、地域の

顧客を見限って売り抜けることは

できないということを仰いました。

 

確かに、M&Aは事によってはドライで

金銭的なやりとりに終始してしまう

節があります。

そうなってしまう背景にはM&Aの

アドバイザリーのスタンスが問題に

なってくる部分が大きいように

思われます。

 

業務の性質上、なるべく高い価格で

売り抜けることがM&Aアドバイザリー

の主たる仕事であることは否めませんが、

その中でも会社の元々の事業目的や

会社の歴史、社会における位置づけを

考慮する必要があるのではないかと

気付かされました。

 

ややもすると専門家の悪い癖で、

専門領域の話に終始してしまい、

依頼者である企業の意向や本質的に

望んでいることに思いを致して

いないことがあります。

 

M&Aというと、売主側の会社に

とっては会社の歴史を閉じる意味合いをも

持つものであり、単純に割り切れる

ものではありません。

 

M&Aに携わる人間としてこのことは

意識し続けなければならないことと

改めて思いを持ちました。

 

言い換えるとすれば

「体温の伝わるM&A」

を実現しなければならないのかも知れません。