投稿日:2019年11月07日

【札幌 弁護士コラム】ビジネスにおいて経営者の感じる喜びとは:金銭的欲求<承認欲求という構造

普段は、意識的にネガティブな言葉を使わないように

心がけておるのですが、あえて説明のために

申し上げるという前提でいえば、ここしばらくは

停滞感にさいなまれていた節があります。

 

周囲から見ると機嫌よくやっているように

言われていたかもしれませんが、

私(荒木)本人としては何となく不満感が

残るような時期でありました。

 

その原因というと、1つにはこれまで色々と

ネタを仕込んできたことがいまひとつ開花せず、

思ったほどの成果が挙げられていなかった、

ということがありました。

 

ネタを仕込む、といっても人それぞれで、

様々なことがありますが、私の場合、

単純に売り上げを上げるために広告を打ったり、

人に売り込みに回ったり

するような事はほとんど行っていません。

 

私のやっている事は、目先の利益を目的とせず、

自らの意思決定基準や行動力を磨くために

人に会いに行ったり、自らの業務とあえて距離の遠い知識を

得ようとするものであって、即座に効果の出るようなものでない

ことを自覚しています。

 

しかしながら、こういったことがいつまでも成果に

結びつかないとなってくると、やってきたことの価値が

なかったように感じられ、不安な思いがよぎるものです。

 

しかし、先日、北海道のとある尊敬する経営者の方から、

その方の主催する集まりでの講師の仕事を依頼されました。

(こちらに関しては詳細が決まれば改めて公表したいと思います。)

 

この講師自体も、いってみれば即座に利益に

つながるものではありませんが、

そうであったとしてもこの尊敬する経営者の方に

認めていただいた、という事はこの上なく嬉しいことでした。

 

加えて言うなれば、私とこの経営者の方は

さほど長いご縁ではなく、最近になって膝を突き合わせて

話をさせて頂けるような間柄となり、

短い期間であっても私の思想を聞いて受け入れて

下さった、ということも大変ありがたいと感じています。

 

私にとっては、ややハードルの高いような仕事に

なるかもしれませんが、全力でぶつかっていけば

必ずや自らの成長につながることが確約されているように

今は感じています。

 

このような事は滅多にあるわけではありませんが、

実は、仕事をやっていることの最高の報酬というのは

こういった承認されることにあるのではないでしょうか。

 

商売というと、表面に出てくるのは売り上げであったり

利益であったりしますが、金銭的なものそのものよりも、

実は金銭を通じて自ら又は自社を承認してもらえることが

経営者としての本当の喜びではないかということです。

 

そう考えてみると、悪銭身につかず、という言葉は

至言であり、価値を承認されていないことについて

金銭的なメリットが生じたとしても本質的な

喜びにはなり得ないわけです。

 

もちろん、商売としてやっている以上、赤字を

垂れ流し続けるわけにはいきませんが、

どこに向けての努力であれば力が入るのか、

という意味においてはこういった承認される

価値というのも全く無視のできないものです。

 

このように、ビジネスにおいて実は金銭的なもの

以外の価値に気付いたとするのであれば、ビジネスの

幅がもっと広がるのではないでしょうか。

 

このような点において私はビジネスが持つ面白さというものを

再認識させられた次第です。