弁護士という職業柄、訴訟も取り扱っているわけですが、当然、訴訟をやっている当事者というのは大抵が怒っているわけです。
そして、弁護士や裁判官は当事者ではないわけですから、程度の差こそあれ、当事者の感情とのギャップが生じます。
そうすると思うのが、
「なぜこの人はこんなにも怒っているのだろう。」
ということです。
例えば、潤沢にお金を持っているにも関わらずわずかに損をしたことで頑なな態度を取る人、わずかな行き違いで遺産の行方を180度変えてしまう人、離婚の相談の中で相手のことを蛇蝎の如く罵る人、そんな人は枚挙にいとまがありません。
この根本原理は何か、ということですが、一つの仮説として考えられるのが、
「期待値ギャップ」&「近視眼的状況」
という公式が当てはめられるのではないでしょうか。
「期待値ギャップ」というのは、客観的な状況を抜きにして、本人が期待していた状況と現実との間に差が生じていることです。
「近視眼的状況」というのは、客観的な視点を失い、自らの状況を主観的にしか見られず、視野狭窄に陥っているという状況です。
この2つが揃うとまず例外なく人は怒ります(あくまで私見です。)。
裏を返せば、いずれかの条件を意図的に外すことができれば、怒ることがなくなるのではないか、ということです。
例えば、自分の給料に期待していなければ給料が少ないことに対して怒ることはないのですし、自分の給料が少ないと思っていても周りに比べたら高いことが分かればやはり怒ることはないはずです。
「期待値ギャップ」、「近視眼的状況」をコントロールすることが怒りを生み出さない平穏な生活を実現する最短の方法なのではないでしょうか。