投稿日:2019年06月08日

【札幌 弁護士コラム】地方におけるM&Aの課題

最近、ひょんなことで中小企業のM&Aに関与する業務が発生することが増えてきました。

M&Aというと大企業同士が合併したり、株式を譲渡したり、といったようなことが想像されますが、中小企業においてもM&Aが必要であるというケースも多く存在します。

特に、北海道の企業は、廃業率が高いということで知られており、事業承継問題と関連してM&Aが必要となるケースが多く見受けられます。

すなわち、経営状態は悪くはなく、技術や経営資源があったとしても、経営者に後継者がいなければ事業の継続が成り立たないというケースが多く存在するということです。

 

このような会社の場合には、単純化して言えば、他の会社に事業を譲り渡すことにより、従業員の雇用が守られ、経営資源も毀損されることなく事業が継続されます。

一方で、経営者としては単純に廃業するだけであれば、老後の金銭的な問題を抱えることもありますが、他者に譲渡すれば経営者自身も譲渡による収入を得ることとなり、老後の生活に不安がなくなるといえます。

 

このように、M&Aにはメリットが多く存在するわけですが、中小企業においてM&Aが進まないということにはいくつかの要因があります。

1つには、地方にM&Aの専門家がほとんど存在しないということが挙げられます。

もちろん、商工会議所でM&Aに関する部署ができていたり、地方銀行が事業部門を設けてM&Aの仲介のような業務をやっていたりもしています。

しかし、商工会議所のような公的な機関であれば、1つの案件にコミットするにも限界がありますし、地方銀行はもともと専門家ではないので、専門知識等には必ずしも優れているものとはいえません。

このような現状を踏まえて、地方にもやはりM&Aの専門機関が必要ではないかと考えられるわけです。

 

近く発表させていただくことになろうかと思いますが、このような課題を解決すべく、動き始めております。

M&Aが1つの地域活性化の手法として定着すれば、と願っております。